空を飛ぶ②

涙と涙が出会ったら架かる 弓の唄
行きたい場所は全部廻った後で また会えたら
荷物の無い体ふたつで その弓を渡ろう
あんなに近い ずっと遠い あの雲にのぼろう

BUMP OF CHICKEN「arrows」

虹は光の散乱だから、どれだけ歩いてもたどり着けない。
雲は水滴と氷の集合だから、食べることも上に乗ることもできない。
夜に眠っていてもピーターパンは来ないし、引き出しを開けても未来には行けないし、コンパクトを開いても魔法は使えないし、ベルトを装備しても変身できないし、
どれだけ頑張ってもウサギにはなれないし、プリマ・ドンナもパイロットも一握りの人間しかなれないし、世界は自分の求めている風にはならないし、自分は世界の求めているようにはなれない。

きっともう5歳くらいには薄々わかっていたような気がします。
それでも。

虹の上を歩きたい。雲の上で日向ぼっこしたい。ピーターパンと冒険に出かけたいし、ドラえもんに泣きついてみたいし、魔法は使いたいし、悪を倒す強い存在になってみたい。

うさぎになりたいしねこにもなりたい

特に意味もなく「かわいいね~」って人に愛でられながら、のんびりした空間で好きな人と一生を終えたい。

スポットライトの下で自分を叫びたいし、自分のやりたいことをやっていたいし、誰かに必要とされる自分でいたい。

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ほうきに乗って、ちょっと遠くまでお出かけ。街も山も見下ろして、風を切って川を越えて。

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ちぇ。科学じゃなくて、魔法が発展すれば良かったのに

「映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜」のび太

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魔術とか妖術とか、人間が「よく解っていない技術」をそう呼んでいる感じはありますが。
そうではなく、原義の魔法を使えたらいいのになってよく思います。

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空を自由に飛びたいな、といったときに本当に要求しているものはタケコプターじゃなくて「空を自由に飛ぶ能力」なんですよね、当たり前ですけど。でも生身の人間が空を飛ぶことはできないのでタケコプターという道具を使ってその欲求を解決することしかできないんですよね。
グラブルコラボの時に四騎士がタケコプターを装備していたのはかなりシュールで面白かったですが。
考えてみれば生身の人間で(ここ重要)空を自由に飛べるキャラ、3人しかいない……?(メーテラとウーノとソーン)あ、ふんふも飛べるか。 

閑話休題。

私は空を飛びたいんです。空を飛んで、虹をのぼって、雲をつかんで行きたいんです。

というか冒頭の歌は虹を登りたいって歌じゃなかったはずなんですが。BUMPで虹の歌と言えばあとは「虹を待つ人」と「ハルジオン」ですかね。今回の趣旨的にはハルジオンが近いです。

ところが僕らは 気づかずに繰り返している
大人になっても 虹を作っては手を伸ばす

BUMP OF CHICKEN「ハルジオン」

でも、掴めないってわかっていても手を伸ばし続けることが大事なのかもしれません。
次の時には、もしかしたら手が届くかもしれないじゃないですか。

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