AI生成についての考え整理(お気持ちベース)

  特段新しい見解もないので、どういった立場の人も読む必要はありません。

 一部(残念ながらおそらく本当に一部)で喧々諤々になっている、AI生成の無断学習に関する考えをお気持ちベースで文章化するだけのトピックです。メモついでレベルなので書きなぐり。

 基本的に、AI生成に伴う無断学習は全面反対のスタンスを取っています。
 作家の邪魔をする存在が気に食わない、というのが主な原動力のです。
 創作する時はね、誰にも邪魔されず、自由で、なんというか救われてなきゃあダメなんだ。独りで静かで、豊かで……
 ……こら、そのSNSをちょっとやめなさい。

 もう少し分解した理由は以下で、上に行くほど解消したい点です。

  1. 追加学習などを使って特定の絵師を狙い撃ちにすることによる、作家生命の致命的なスポイル

  2. 無断学習自体が生む作家のモチベーション低下

  3. AI生成しているだけの作家気取りが許せない

  4. 倫理観を持たない使い方による情報の混乱など

  5. 市場の価値低下

 1 については、すでに特定のイラストレーターに関するなりすましも伴った(個人的には千の言葉を使ってでも罵ってやりたい)やり口も散見されますが、現状の法律ではこれ自体を咎める方法はありません。かのアカウントが停止されておらず活動継続していることで推して知るべしです。
 AI生成はどなたでも自由に利用できるため、現状では上記のことが低コストで行なえる状況で、本気になればその物量で本物の作家は押しつぶされるかもしれません。

 2 ですが、無断学習の存在による精神・時間的なコストの無駄遣いと、それによる創作時間の低下です。
 このようなことに気に病み、本来創作に使えるはずの貴重な時間、人生が失われるというのは心を痛めます。
 もしかしたらこれが黒元気のもとになり意欲高揚に繋がる可能性もありえますが、それは心が強ぇ奴だけです。

 3、ド私情です。
 よくAI絵師、AIクリエイターなどと自称する人がいますが、断固否定します。法が許してもぼくは許しません。
 AI生成を参考に表に見えるものを従来の方法で作成しているのであればまだよいですが、プロンプト、あるいはプロット読み込みによる生成物をそのまま、あるいは少々の加筆修正しただけのものを、精神的活動の産物とぼくが信じる創作物とは認めません。
 AI術師などという呼称が昔に使われていた気がしますが、これなら良いと思います。ぼくは少し好きです。何なら流行れ。

 4 は、1 にも例を上げましたが、使う人間が愚かというお話になります。
論文課題などをAI生成で作られてしまう状況もすでに散見されますが、之をひと目で生成物だと見破るのは至難の業でしょう。AI生成物を提出して勉強していると嘯いても身についてはおらず、やがては人間の学習レベルも落ち込みかねません。
 画像のフェイクも深刻に考えています。
 一昔前、「熊本地震でライオンが逃げた」という偽情報を記憶されている方もいると思いますが、あれは街並みが熊本でなかったこともあり大きな混乱もなく収まりました。ですが、あの街並みがまさに熊本そのものであり、ライオンの合成も自然なものであるならば? 複数証言を思わせるような写真が大量に同時出現した場合は? 最近はAIによる動画生成も可能になってきているので、何ならニュース仕立てでもできることでしょう。
 現在でも画像のコラージュ等でも似たようなことはできそうですが、AI生成の長所の一つである高速な生成がこの悪行を後押しするだろうと確信しています。
 ちなみに、今確認しているヤバい使い方は上述したものの他に、

  • 描きかけの絵を取り込ませて完成品として先回りし、本来の作家の作品を贋作とする

  • 成人向け二次創作が禁じられている作品について大量に二次創作して販売する

  • 実在の人物の裸を自動生成して広める(昔の裸コラと呼ばれるものの強力版)

  • AI生成作品禁止(あるいは手作成大前提)のコンテストに参加し、場合によっては賞まで取ってしまい混乱を招く

  • 上記いずれかの合せ技

 などがあります。私が知らないだけでもっとすごいものがあるかもしれません。良ければどなたか教えてください。
 この方面についてはもう、AI生成利用は強めのライセンス制にしたほうが良いのでは? などと思ってしまう状況です。

 5 は、AI生成が出回った初期に一番多く言われていたことですね。今まではイラストレーター、文筆家の方に頼んでいた仕事をAI生成で済ませることでコストダウンしようという向きが加速すれば、その市場価値は没落するかもしれない、ということです。
 これに関し、個人的には実のところ賛成半分と見ています。創作「物」のどこに重きを置くのかという視点次第でここは大きく展望が変化するだろうと思うためです。
 AI生成を創作活動の時短に使うことで表現自体へのさらなる注力ができるのでは、というような考えもあります。
 もちろんこれは楽観的展望で、本来悲観的な気質のぼくとすれば落ち着きのないものです。
 創作者の強さを信じたい向きもあり、あるいは、AI生成との棲み分けがうまくできるようになるかもしれない、色々ごちゃごちゃと考えています。
 ですが、創作世界の崩壊というシナリオはどうしても頭に残ります。

 あと、これは懸念外ですが、現状、AI無断学習反対派は圧倒的な不利であると言わざるを得ません。これも私が口を出す理由です。
 「法律をどう解釈しても無断学習はダメだろ!」というような話が識者からも出ているのであれば良かったのですが、その法解釈をして実践できるレベルの偉い人の多くがAI生成が持つパワーを優先しており、著作の権利、パブリシティ権などを法解釈でガシガシ蹂躙してしまいそうな勢いです。AI生成物に学習元との同一性は原則認められない、って感じで。
 それなら、ぼくらが取れるのは、戦いは数だよ戦法くらいじゃないですか。
 海外であれば反対の声が非常に大きく頼もしいですが、ほら、日本人は農耕民族なもんで、前へならえが好きなもんで……ね?

 もっと技術的、法律的、中立的な面で色々語りたいところですが、何分ぼくは人間の素人なので、アホがなにか図に乗ってるわ、という文章にしかならないと思います。
 でも、気が向いたら書きます。

 なお、ぼくはオエカキモノカキカンゼンニリカイシタ族(※完全なるアマチュア、どうやって作るのかの論法を知っている程度)で、ぼくの作品自体の学習は、それが一次創作なら別に構わないです。好きに worst あたりのタグをつけてお使いすればよろしい。

 別に技術アンチではないのです。
 メカメイドさんの市場展開とか待ってます。
 そんな将来のためにも、清く、正しく、高潔に頼みますぜ。

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