ホミカラ解説③ (Secretステージ、裏話)

この記事では公演「シロタ博士とホーミー・カラッツ方程式」のSecretミッションの解説を行います。
以下の記事の続きです。

全体解説
https://note.com/c_lock_row/n/n7d46329a994c
解説①
https://note.com/c_lock_row/n/n2cca87847813
解説②
https://note.com/c_lock_row/n/nb79203a6dde9

Secretステージ

Secret

Secret Mission
物品: 箱A、箱B、箱C、異次元キューブA、異次元キューブB、異次元キューブC、タブレット、巨大化装置、消滅装置
タブレットにあるスタートボタンを押し、その場で20秒間静止せよ。
ー注意ー
ボタンを押してから10秒後にシロタ博士は失敗ボタンを押す。
シロタ博士はこの部屋に鍵をかけ、外からモニターで様子を観察している。

このミッションの解説を以下で行います。


【解説】
失敗ボタンを持っているシロタ博士は部屋の外にいるため、一見スタートボタンをどう押しても阻止できずゲームオーバーになるように見えます。
ここで、WORDでの用語<密閉ボックス>の説明を読むと、<表面>が黒、<裏面>が白と定義されていることがわかりますが、これを逆手に使えないでしょうか。

記事の途中でもあった通り、Cの箱の側面と底面は磁石で解体できます。

また、WORDにはこの公演において特殊な意味で使われる単語が載っているようでしたが、「内部」「外部」「裏面」「表面」の意味はそれぞれ次のように載っていました。

<内部>
箱を境界とする空間のうち、<裏面>側のほう。<外部>ではない領域。
<外部>
箱を境界とする空間のうち、<表面>側のほう。<内部>ではない領域。
<裏面>
箱の<内部>側の面。
<表面>
箱の<外部>側の面。

なのでこれらで定義されている限り、箱Cを裏返して白の面が現れるように組み立てれば外が<内部>、内が<外部>の箱を作ることができるようです。

これを用いることで、シロタ博士や失敗ボタンだけでなく、全世界を消す事が可能になります。
箱A、箱Cを巨大化させ、次のように配置します。
C[ (世界) ] A[ B[ [A] ] [B] [C] ] (参加者)
A=B+B+C, B=A, C=(世界) → A=-(世界), B=-(世界), C=(世界)

この状態で消滅装置を起動することで、箱Cの<外部>、つまり裏返した箱Cの中にいる参加者以外の世界を消滅させることができます。

なお、WORDの「消滅装置」の説明には
「装置によって生じた消滅は、<密閉ボックス>の性質により<外部>に一切の影響を与えない」
とあるので、裏返した箱Cに入っている参加者は世界が消滅することに対して直接影響を受けずに生存することができます。



裏話

最後に裏話を挟みます。

方程式の詳しい設定

この公演では方程式の立式によって個数を算出するルールがありました。
公演内ですべてのルールを説明すると煩雑になるため省いていましたが、実はスライドで説明したルールのみでは不十分なところがあります。

例えば、この公演において箱の個数を求めるために次の2つの連立方程式が出てきたとします。
 A=1
 B=A+B
この場合、1つ目の式から解くと(A,B)=(1,●)になりそうですが、2つ目の式から解くとA=0となってしまいます。
結論から言うと、本公演においてこの場合の個数は(A,B)=(●,●)になります。
これは「AとBが絡む連立方程式では、(A,B)の実数解がなければ個数は(●,●)になる」という裏設定に従っています。

また、次の連立方程式の場合は実数の範囲で(A,B)=(0,不定)という解が存在するので、(0,不定)が個数です。
 A=A
 B=A+B
1つ目から先に行うと(A,B)=(不定,●)になるように見えますが、実数解のほうが優先されるため(0,不定)が解となります。

最後に次のような方程式の場合ですが、この場合はAとBの方程式が独立しているため(A,B)の個数は(●,●)ではなく(1,●)となります。
 A=1
 B=B+1


「ホーミー・カラッツ方程式」の由来

最後にこの公演で登場した方程式「ホーミー・カラッツ方程式」の名前の由来を書き残してこの記事を終わりたいと思います。

「ホーミー・カラッツ」は以下のように綴ります。
Homy Karats
これを並び替えると
matryoshka (マトリョーシカ)

つまり、この公演でよく登場した入れ子構造をマトリョーシカになぞらえた命名でした。



解説記事は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。


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