グッバイ、ドン・グリーズ!

グッバイ、ドン・グリーズ!観てきました。
ものすっごいジャストフォーミーな映画でした。

「宇宙よりも遠い場所」が好きな自分には、お宝のような映画です。豊かな自然描写と、揺れ動く思春期(思春期に限らずだけど)の思いが交差する、瑞々しい物語。登場人物はほぼ3人、あとは圧倒的な自然。
鬱蒼とした森も、満天の星も、踏み荒らされていない川も、息詰まるほど咲き誇るネモフィラの青い花の海も。
ひたちなか公園のネモフィラ畑に行った事があるけど、まさに映画で描かれていた、息を呑むほど青い花の海だった。

前半部分の山の中を移動する3人は、最初はわだかまりがあるけど、徐々に心が結ばれていき、ゴールの頃は分かちがたい絆で結ばれてる。
声優さんそれぞれの演技がまた上手くて。
ドロップ役の村瀬歩の多くの思いを内包した演技が素晴らしすぎる。
「よりもい」の時はゆったりペースでみんなが結ばれていったけど、ドン・グリーズは60分くらいで結ばれるから、その分強烈。
牽制しあって庇いあって、心の底にあったよどみを吐き出して、満点の星空の下、流星群を見ながら歌うシーンが泣ける。悲しみではなく感動でもなく、ただただ心を揺さぶる涙だった。

この映画はどうしてもスタンドバイミーを思い出してしまうけど、比肩する美しい少年の旅物語だと思う。

そして後半。
ここに出てくるアイスランドは地球を回る深層部の海流の、最初の出発点の一つでもある
よりもいで南極を描いてた時に、この熱塩循環の話も出たのではないかと思ったりした。
火山の国の厳しく美しい自然だけでなく、海流がものすごく長い時間をかけて地球を循環してる事と、彼らが過ごした一瞬のような永遠のような時間と対比してるのかな、と勝手に思った。
あくまで勝手に。

やっぱりもう一度観に行こう。
いろんな物を見つけに。

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