見出し画像

アイドル界が大地殻変動!?変わる!アイドルミュージック!(インディーチャート 2014年 9月号)

今春に始まった本インディーチャート。シティやアーバンといったキーワードを身にまとった音片が、Daft Punkによって一気にお茶の間にまで拡散された昨今。各地から届けられる新譜を入念にチェックするようになったC.I.T.Y.の面々は、ある“傾向”に気づく。その“傾向”を『デニムロック』と名付けて以降、傾向は概念と化し、実世界にじわじわと浸食を開始する。

日本の夏が終わろうとする9月。世界の音楽、そして我々の耳、目から1m以内に届く音楽は、どう変化しているのか。今月の本インディーチャートで体感していただきたい。遥かなる音楽の旅へ、行ってらっしゃい。

その前に、これを聞かないと何も始まらない。始めるのはあなただ。

音声解説:その1 その2 その3

1.Lake Street Dive - You Go Down Smooth

フロム・ボストン。ロックからジャズ、ポップスを横断するハイブリッドデニム。彼らのwikiには“free country band”とあるが、その意味とはいかに?これからわかる。

2.Andy Frasco - Main Squeeze

フロム・ロサンゼルス。デニムの新傾向として見え隠れするモータウン要素。それは外せないキーワード。彼が自らに付けたジャンルは『Party Blues』。

3.さんみゅ〜 - 純情マーメイド

2014年夏を代表する傑作はガールポップ、いや、ここではあえてこの表現を使おう、『アイドル』から生まれた。サンミュージックの歴史と、現行アイドルへの批評が生んだ名盤『未来地図』は必聴。

4.Foxygen - How Can You Really

フロム・カリフォルニア。サイケデリックポップの錯乱王として名を広めていたロックデュオが放つピュアデニム。10月発売のアルバムを震えて待て!

5.Negipecia - Girl’s Life

フロム・オオサカ&ニイガタ to イトウ。元ネタを知らない君は『ハトヤ』で検索だ。そして、Especiaは10月に福岡公演を控えている。

6.Beach Day - Don't Call Me on the Phone

フロム・フロリダ。Vaporwaveに限らず、近年の音楽に頻出するイメージは『海と夏』。人類は『海と夏』を求めている。何度目かのサマーオブラブの足音。

7.さいとうまりな - はじまるふたりEP

フロム・グラビアアイドル。tofubeats以降の竹内まりやとなるのか。2014年版シティポップのブレーンは堂島考平。

8.Shin Rizumu Group - 処方箋

フロム・コウベ。天才高校生の瞳は何を見ているのか。キリンジフォロワーを軽く超越したネイティブポップスマンはJPOPに新時代の幕開けを告げる。

9.Twin Peaks - I Found a New Way

フロム・シカゴ。最高の映画には、いつだって最高の音楽と、最高のヤツらが存在した。もう一度会いたいと思わせるアイツらと、もう一度聞きたいと思える音楽。それだけで名作は完成する。たとえ3分間の出来事でも。ちなみに車椅子がボーカル。

10.遠藤舞 - Baby Love

フロム・アイドリング!!!(元)。オカモトズが描いた設計書は完璧だった。その上を泳いだ彼女も完璧だった。アイドリング!!!界隈から久々に生まれた名曲だと、お台場方面に向けて叫びたい。

11.Po-one - Today in L.A.

フロム・Vaporwave(ピュアベイパー)。虚構としたり顔の悪夢はいつまで続くのか。静観したい。

12.The Shilohs - Get Ready Now

フロム・バンクーバー。愛すべき男達の愛すべき音楽。EDMで浮かれたホームパーティーを横目に、男達はガレージで秘密のポップソングを奏でる。

13.Kurt Baker - On The Run

フロム・アメリカ。パワーポップ復権の旗手が受け継いだコステロの魂。全曲必聴。

14.RF - Runnin’

FROM JAPAN. RF is Rokugen Club with Farah. They play jazz that was interpreted through hip-hop.

15.クァン・シャロン - エクスプレス恋人

フロム・台湾。1995年10月15日生まれ。星野みちるが鎮座したこの場所は、美少女によって引き継がれる。邦ポップスの良心はアジアに確実に伝播している。来月はその権化、ikkubaruが降臨する。心して待て。

特.ライカスパイダー - 吸血鬼デュバル

再発がParksで入荷予定。博多の伝説。それ以外はノーコメント。これが後世に伝わること。それがインポータント。

// 次点のご紹介 //

今回、候補曲が50曲にも及んだので、次点はリストで公開。夏になるとやる気を出すのがミュージシャンであり、我々。

ドラムがGreen Dayビリージョーの息子Emily's Army。Shin Rizumuを輩出したAnotracksが次にインディーシーンに召還したのは「おおのゆりこ」という100億光年に一人の天使。アメリカンインディーの奇才Bryan Scaryによる新バンドEvil Arrows。連続リリースされているEPシリーズからは名曲が生まれ続けている。

YoutubeにおけるVaporwaveチャンネルは死んだ。Maniac Synth以外。久しく見なかったロックスターはデンマーク・コペンハーゲンから現れた。Iceage。英雄はいつだって男色。5枚1組でリリースされたというソノシートに吹き込まれたシンプルで美しい名曲。tobias jesso jr。今は人物に音楽が引っ張られる時代。花澤香菜は音楽を担保する存在の一人。田中秀和(MONACA)は今後、アニソン以外でも期待。

見せないことで成立させたWunder Wunderの手法に脱帽。PLANKは初めてVaporwaveを人力に落とし込んだ。デニムで踊ろう。Stanley Brinks and the Wave Pictures。ダサカッコイイからカッコイイを抜いた希有な存在、つまりダサい。The Solicitors。

元スパルタローカルズ、現HINTO(メンバーはほぼ同じ)。バンドコンセプトは過ぎ去る夏。新作 is 名盤。JUDY AND MARY AND supercar = PLASTIC GIRL IN CLOSET。Modern Mod is 渡辺デニム推薦。福岡のメディアはHearsaysをもっと取り上げたほうがいい。

松尾モータースはSCANDALが大好きなことを黙っている。

以上。今月のインディーチャートは豊作だった。

// OOPS!! //

我々、C.I.T.Y.は福岡の地で『ドリンクバー凡人会議』というラジオ番組を放送している。その活動は地道であり、未だ人々には浸透していない。

そこでどうだろうか、あなたがメディアの人間であれば、私たちを取り上げてみるというのは。例えば、福岡の先進的なメディアAFROはすでに行動に移している(参照:月刊凡人会議)。

もちろん、そうでないあなたもtwitterでつぶやいてくれるだけでいい。そのつぶやきが我々の血肉となり、新たな価値観を生み出すことになる。判断するのは我々ではない。あなただ。

C.I.T.Y. CEO Jackie Robinson

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?