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どうせなら遊びながら英語の勉強がしたい ーパズルゲーム「Cryptogram」のことー

タイトル通りのお話です。
なおこの記事は、表題のゲームについてのネタバレを含みます。ご注意を。


英語の勉強を始めた。ちょっとだけ。

仕事と趣味の両方で、多少は英語読めないと困るな、と感じるようになったからだ。仕事のためだけだったら勉強なんて投げ出していたのだが(ダメ社会人)、オタク趣味のためとなると、やらないわけにいかない。オタク、推しのためなら何でもしがち。

とはいえ、私はやりたくないことはとにかくやらない自分勝手な性分。単純な勉強だと飽きてしまうので、どうせなら遊びで学びたいと考えた。甘い考えでも、何もしないよりはいい。

遊びと言えば、私はゲームが好きだ。特にパズルゲーは日頃から遊んでいる。英語の勉強になるその手のゲームがあれば、私も少しは頑張れるかもしれない。
そう思っていたところで偶然見かけたのが、Cryptogram -puzzle quotes という英語のパズルゲームだ。

というわけで、この記事では私がCryptogramを遊んでいる話をする。ところどころパズルのネタバレをするので、このパズルを前情報なしで楽しみたい方は、ここで記事を閉じてほしい。

前置き:これ書いてる奴の英語力

※この項目はほぼ自己紹介なので、飛ばして大丈夫です。

大学受験のために、高校までは英語をやった。大学進学後の学部は、外国語とまったく無関係。そこから先は真面目に英語に触れてこなかったので、受験英語はほとんど忘れている。
社会人になってから受けたTOEICは400点台。中の下というか、まあよくある点数だ。

そんなわけで、それほど英語は得意じゃない。そんな状態で英語のパズルゲーに挑むという無茶をやる。


Cryptogramというゲームのあらまし

海外のデベロッパーが作った作品らしい。率直に言えば、パズルゲーによくある、アプリストアに溢れる雑多なインディーズゲームの一つだ。
ストーリー性はなく、UIデザインはとてもシンプル。淡々と解くだけの、わりと硬派なパズルだと思う。

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ご覧のとおり、中身は全文英語。チュートリアルの内容も正直よくわからない。これからローカライズされる見込みもないだろう。
しかし、遊び方やコンフィグはパズルゲーによくあるもので、説明が読めなくてもわりとどうにかなる。俺たちは雰囲気でパズルをやっている。

パズルは全部で1000問以上あるらしく、私は全然解ききれていない。当面遊べそう…。


パズルのルール

同じ記号の位置には同じ文字が入る」制約で、虫食いの英文をアルファベットで埋めていく。クロスワードパズルにちょっと似ている。

たとえば、こんな問題があるとする。

H★●●▲ W▲R●D!

★、●、▲は、それぞれがアルファベット1文字に対応する。答えはこうだ。

HELLO WORLD!

★が「E」、●が「L」、▲が「O」。ね、簡単でしょ?

…ルールが単純だからって、パズルが簡単なわけではない。実際のCryptogramのパズルはもっと文章が長く、虫食いも多い。これ、英語ができる人でも結構頭を使うんじゃないだろうか。
一介のパズルゲー好きとしては、単純なルールでちゃんと歯ごたえのあるパズルは、良いパズルだと思う。


パズルになっている英文

パズルになっている虫食い英文は、すべて原文がある。世界各国の名言・格言の英語版を集めているらしい。どの原文も有名なので、Google検索に掛ければほぼ確実に解説サイトがヒットする。
…自己啓発系の文章ばかりなのは、言葉を使うパズルにありがちなやつ。

パズルと一緒に、原文の著者の名前も表示される。近現代の英語圏の有名人が中心かと思いきや、中にはConfucius(孔子)の格言もあった。引用の範囲がわりと広そう。


遊ぶにあたってのレギュレーション

こういう自分ルールでプレイしよう、と最初に2点を決めておいた。

・辞書使用OK
・完成した文章や知らない単語の意味はちゃんと調べる

クロスワードのような言葉遊び系のパズルをやるとき、レギュレーションが2種類あると思う。辞書を使うか、使わないか
私は勉強を兼ねてプレイするので、辞書の使用をOKとした。

ただ、虫食い状態の英単語を検索するのって、普通の辞書では難しい。そこで、下記のサイトを使う。その名も「Crossword Solver」、クロスワード用の虫食い英単語検索辞書

全体の文字数、虫食いの位置、わかっている文字を指定して検索すると、候補の単語がヒットする。英語圏にもクロスワード愛好家がたくさんいることがよくわかる…。
わからない単語はとっとと検索して解決する。このサイトも全文英語なので、Google翻訳に頼って意味を読み取りつつ。

パズルが解けたら、完成した文章を検索に掛けて意味を確認する。気になる単語やイディオムがあれば、覚えるように努力してみる(覚えられるとは言ってない)。


英文パズルを解いてみよう

※この項目は、一部のパズルの解法を書く。これから自力でCryptogramを解く人は飛ばしてほしい。

たとえばこちら。

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なんもわからん。
…と言っても始まらないので、とりあえず文頭を見る。「W _」。文頭にあって「W」で始まる2文字の単語なら、たぶん「WE(私たち)」だろう。「E」のような母音が入ると結構埋まるので、あとは流れで。

続いてこちら。

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ほぼ白紙じゃん。というかハイフン入ってるのなんで?引き算?
こんな風にヒントが少ないときは、クロスワードの鉄則に従う。文字の並びが特徴的な箇所を探す。この文章だと、2行目の「_ _ J _ _」の箇所が気になる。中央に「J」が来る単語、そんなにないのでは?
Crossword Solverで「_ _ J _ _」を検索してみると、実際あんまりヒットしない。しかも固有名詞が多く、普通の単語は「enjoy(楽しむ)」のほぼ一択だ。4文字も埋まればあとはなんとかなる。

最後にこちら。

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SとOだらけ。なんか長い単語もある。
5行目の「_OM_ _SS_O_」、知ってる人が見たら絶対わかりそうな並びだが、私は知らないのでわからない。早々にCrossword Solverで調べてみると、ヒットしたのは「compassion」。調べてもわからん。こんな単語学校で習ったっけ?(忘れてるだけだと思います)
辞書曰く「思いやり」という意味らしい。へぇ…(覚えられるわけではない)。

あと、重要なのが、パズルの右下に毎回表示されているトピック

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虫食い英文のテーマを表す一語が表示されている。この単語、そのまま文中に登場することがちょくちょくある。虫食いが多すぎて検討もつかないようなときは、トピックの単語が入る箇所がないか探してみるとよさそうだ。
このパズルとか「解かせる気ある?」みたいな虫食いっぷりだが、トピックをヒントにすると解ける。

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プレイしてみての感想

Cryptogram、面白いです
勉強の話はどこ行ったんだ。

惜しむらくは、英語が母語であろうデベロッパーに「あなたのゲーム、面白いよ」を上手く伝える術がないこと。私の英文ライティング能力、頼りないので…。

The game you made is interesting! I'm enjoying it. You have done an excellent job!

これはほぼGoogle先生が書いてくれました。ニュアンス合ってるかは知らない。

あと、性質上ローカライズの望みが皆無なので、国内のパズル好きにオススメしづらいことか…。かの有名な「Baba is you」とか、英語を読まずに遊べる英語ゲームもあるけど、このゲームは英語の読解が必要だ。

私の英語力が育っているかどうかは全然わからない。まあでも、何もやらないよりはマシになるでしょう、多分。もうちょっと遊んでみる。
しかし1000問も解けるかな!?一問一問に時間が掛かるので、クリアはいつになることやら。

真剣に英語を勉強したい人は、なんかもっとほかの手段で真面目にやった方がいいと思います。
私は急ぎの用で勉強してるわけじゃないので、のんびりやる。一応言い訳をすると、単語帳アプリも使っている。続けられればだけど…続くといいね。


余談:パズルを遊ぶための設定

基本的にはデフォルトの設定で遊べるゲームだが、フォントやキーボード入力などをSettingsで変えられる。プレイしづらいところがあれば変えるといい。
アルファベットの対応を表す記号(Encoding Typeface)も変更でき、ヒエログリフにして遊ぶこともできる。謎の充実っぷり。

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あと、対応記号を非表示にする機能もある。まさかのノーヒントモード。誰が解くんだろうこれ。

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余談:パズルの脇道

パズルそのものだけでなく、単語や原文の意味を調べるのが結構面白い。

たとえば、「dwell」という単語。「live」と並んで「住む」という意味らしい。知らなかった。
「live」との違いは、「(短期的に)住む」ニュアンスであることと、より文学的な表現であること。また、「囚われている」の意味でも使う。「dwell in the past」で「過去に生きる/過去に囚われている」の意味になるらしい。
日本語だと「住む」と「囚われる」を同時に表す語がないから、ニュアンスを訳すの難しそう。

また、この記事で例にあげた一問の原著者、イタリアの詩人チェーザレ・パヴェーゼ(1908-1950)。詩はおろか名前を聞いたこともなかった。近代詩人にしては生没年の間が短いと思って、ちょっと検索してみたら……。
…一人一人調べていけば、それぞれドラマがあるんだろう。たまに調べて思いを馳せてみたい。



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