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にごりり104話。みかり宅のキッチンを借りて、バレンタインのための料理教室。先輩にあげるクッキーを自分で作りたいみかりは、オタクのりりさたちに、漫画が嫌いだと言う。なぜなら漫画のお約束で「片想いの幼馴染は最後に必ず負けるから」。しかしアシュフォード戦記のコミックスだけは特別で家に揃えている。りりさにとってリリエルが「永遠の憧れ」であるように、みかりにとってリリエルは「一途に想い続けた天使が最後に報われる」未来の姿なのである。一つの象徴に異なる意味合いが交錯する高度な作劇、イプセンの野鴨かよ。

ヒロイン絶望。最後の数話だけ有料公開だったので、まんまと課金してしまった。最後の最後まで反省しない人間を描き切り、ヒロインがそいつと縁を切って自分の人生を生き直すことに希望を託すような最終話だった。更生不可能の、いわゆる「絶対悪」的な人間が登場するフィクションって、伊坂幸太郎がたまに小説に書くよな、と思い出した。重力ピエロとか、マリアビートルとか。

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