190616

そこで藍染め教室が開かれるらしい地下スペースのある、『ファイト・クラブ』みたいな構造の飲み屋の名前を母から聞かされて、それが去年までK先輩の住んでいた雑居ビルの1階にある店だと後で気付いた。地下なんてあったのか。研究所の面々と飲みに出た夜の二次会あるいは三次会、他でもないK先輩が住んでいるという理由により、最後に流れ着く場所だった。奥のカウンターに横並びに座ると出される、お通しの塩辛い生ハム。店内の窯で焼くピザ。大して酒の飲めない食の細い僕は、ソフトドリンクとミントアイスだけ注文して、だらだら喋って酔いを醒ましてから、ようやく家路に着いた。K先輩のその部屋に一度だけ入った事がある。一人暮らしには広すぎるくらいだった。今は牛久のもっと広すぎる部屋を借りて生活してるらしい。部屋選びのセンス。

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