女も楽じゃない　３

カップル単位や家族単位になれても、経済などの問題があります。人間が二人いれば、搾取の問題が生じます。力関係は外から生まれてきます。社会の差別をコピーするようにして、家庭内に差別が発生するのです。
「女のくせに」「障碍者のくせに」「男のくせに」「母親のくせに」「父親のくせに」というような価値観が、力関係を決めていきます。

家族がすべてでだとはわたしも思いません。しかし、家族がいると便利なのも確かです。金とセックスは交換され、女性たちは、お互いの愛と良心を信じて、未来を賭けます。そして、ときおり、賭けに敗れます。
改姓、妊娠、出産などの、女性が逃れる力を失ったタイミングで、夫たちは、女性に暴力を振るったりモラハラをします。

DVに遭わなかったら幸運だといえますが、女性には、感情労働やシャドウワークと呼ばれるものも課せられています。収入には結びつかないものの、人の気持ちや家庭の中で、体をケアしたり、ハウスキープをするような作業のことを言います。気持ちを使って、相手をケアする作業は、目に見えないので評価されにくいですが、する側は、確実に、疲れます。それをないことにしていると、感情労働を請け負っている人は倒れます。