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女も楽じゃない 2

純粋な人間の連帯感を保つための装置として、社会は、女性と男性を分けています。
 人の違いをないことにして、誰が優れているかを示し、男同士で、根拠はなくとも、「日本人男性である」から、自信と尊厳を持てるようになっていました。

 そのため、日本人男性であれば、特に優れていなくても、できることがなくても、威張っています。
 道行く人で、道を譲らない人、怒鳴る人、ぶつかってくる人、性暴力や暴力を働く人は、男性ばかりです。

 男性たちは、ただ、男性であるだけで、強い何かを手にしているのです。

 その構造自体が、家制度を守り、家制度は、長男を尊び、長男の言うことを絶対とする「家父長制」を生み出します。女は、その世界で「財産」の役割です。明治憲法下では、女性は「財産」であって、人権もなく、財産権もありませんでした。

 普通選挙が始まったといわれる「歴史」がありますが、その「普通」には女性が入っていません。

 全く何も持っていない女性には、政治とかかわるすべがなかったということになります。

 社会科の教科書一つとっても、女性の存在が消されています。

 女性の言葉が、バカにされ、感情的だといわれ、「学問的ではない」と言われて、俎上にも載せてもらえな都合の悪いものを女性というカテゴリーを放り込んできたからです。感情もその一つです

 ここでいうマイノリティとは、数の多寡ではなく、権限の多寡です。権限が多いほうがマジョリティであり、権限が少ないほうがマイノリティです。
 よく知られているように、女性は人類の半分を占めていますが「二流国民」として扱われ、差別されているという意味では、数の多い「マイノリティ」です。日本におけるマジョリティとは「純粋な日本人男性」ということになると思います。
純粋かどうかを男性自身が決めます。

 女性の場合は、「日本人として純粋か」だけではなく、「女らしさ」「処女」という点で、「純粋か」決められます。

 男性が童貞でなければ、純粋な日本人男性とはいえない、という人はいません。しかし、「処女ではない、結婚前の女性」を「純粋な女性」とは言いません。

 男性が童貞でなければ、それに対応する女性は、処女ではいられません。

 そこの矛盾に、男たちは引き裂かれず、女は、引き裂かれます。

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