昆虫採集

小学４年の夏休み、おばあちゃんに会うと嬉しそうな顔でこう言われた。

おばあちゃん)あんたえらいなぁ〜

山岡)えっ？何が？

おばあちゃん)おばあちゃん嬉しいわ、アンタが真面目に夏休みの自由研究してるの

山岡)う、、、うん、、、

正直、自由研究？そして何で褒められてる？のか意味もわからないが褒められて嬉しくない小学生は居ないだろう。

おばあちゃん)頑張って昆虫採集して自由研究頑張りや。

山岡)わかった！

しかし、おばあちゃんは一体何の事を言ってるんだろうか、、、

私が夏休みの宿題をするわけないのである。

それから数日後、宿題もしないで暇を持て余した山岡

家の中に何かゲームは無いかと探していると、、、

パンパンに膨らんだアノ見慣れた髙島屋の袋がタンスの上に置かれていた。

なんやろ？

髙島屋の袋に何かお菓子とか入ってるんちゃうんか？

ワクワクドキドキしながらその袋を開けると、、、

髙島屋の袋一杯の

注射器

全部注射器(オレペンだったと記憶している)

もうその頃には

父親も母親(義母)もドポン中なのは気付いていたので驚きも少なかった。

しかし今になって考えるとこの量は異常。

髙島屋の袋はなんと

もう一袋あった。

もう結果は見えているので山岡はさっさと親が帰って来ないうちに

ポン中の夢が詰まった袋を

元の場所に戻した。

髙島屋の袋一杯に詰められた注射器

それも二袋、もしかしたら父も義母も売人だったのかも知れない。

ここで、最初の話に戻る。

そうおばあちゃんが山岡に

自由研究の昆虫採集頑張りやと言った意味である。

感のいい方なら気付いたかもしれないが、その昔昆虫採集キットなる物が販売されていた。

そうなんです、昆虫採集キットには

注射器が付属されていたんです。

防腐剤入りの注射器を昆虫に打ち腐らないようにする為の注射器。

実際は、昆虫を乾かせてから標本にするのでいちいち注射器で防腐剤を打つ必要性は無かったそうです。

事の顛末は

おばあちゃんが父親と義母の部屋を掃除(ポン中の部屋は汚い)していると。

髙島屋の袋一杯の注射器が出たんだからおばあちゃんはびっくらこいた。

おばあちゃん)○○(義母)！この注射器はなんなんや！あんた変な薬してるんちゃうやろね！？

すると義母はこう答えた。

義母)あっ、その注射器は山岡が夏休みの自由研究で昆虫採集するのでその時に使う注射器なんです〜

悪びれる様子もなく事も無げに言ったそうだ。

何故この会話を知ってるかと言うと、十数年前に山岡がおばあちゃんに

山岡)おばあちゃん、前の実家に注射器とかあったん覚えてる？

おばあちゃん)あぁ〜あれなぁ、あれ薬の注射器やろ？

そう、おばあちゃんもその頃、父親と義母が覚せい剤に手を染めてる事はわかっていた。

シャブの効き目なのかスラスラとおばあちゃんに嘘を平然と付けるのが凄い。

ポン中は嘘付きです。

おばあちゃんも見え見えの嘘だとはわかっては居たけど、山岡(子供)の事を出されてそれ以上は言えなかったんだと思う。

しかしとっさの嘘で巻き込まれる山岡、、、

ポン中は平気で子供さえ利用するんです。

今考えると山岡も父親と義母を利用して

自由研究【ポン中の夏】ってな観察日記でも綴れば良かったなと思う。