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ドラマで話題!機動捜査隊について解説

2024年8月23日(金)に公開予定の映画『ラストマイル』
それと同じ世界線のテレビドラマ『MIU404』も再び注目されています。

今回はこれに便乗して『MIU404』の舞台でもある機動捜査隊。
通称「機捜」について解説していきます!

機動捜査隊の役目

機動捜査隊の役目は24時間交代での警邏(けいら、パトロールの事)や事件が起きた際の初動捜査、指名手配被疑者に対する追跡捜査がメインです。
各警察署の管轄を超えて、他県での捜査も可能となっています。

機動捜査隊の装備

機動捜査隊は一体どんな装備を使っているのか気になる方もいるでしょう。
ここでは基本的な装備を服装から車まで一通り紹介します。

服装

覆面車両で活動するため、基本的に服装は私服が中心です。
自身が警察官だとバレてしまうといけないので制服は着ません。

特殊警棒

警察官が一般的に使用する特殊警棒を機動捜査隊も使用しています。
仕様としては同じもので、機動捜査隊の特別仕様という訳ではありません。

拳銃

警察官が一般的に使用する拳銃を機動捜査隊も使用します。
様々なメーカーの回転式拳銃や自動式拳銃が使用されています。

手錠

警察官の必需品である手錠も機動捜査隊で使用されます。

警察手帳

自身が警察官である事を証明する装備です。
手帳と呼ばれますが、手帳の機能はなく身分証明書の一種と言えます。

その他の装備品

「機捜」と書かれた腕章を使用したり、防刃ベストや防刃手袋を使用する場合もあり
ます。
また、無線指令を聞くための受令機やイヤホンを携帯しています。
トランクには盾や警杖、防弾チョッキや防弾帽、手袋や足用のカバーなどを搭載しています。

機動捜査隊ができたワケ

日本の警察に最初から機動捜査隊があった訳ではありません。
ここでは機動捜査隊の歴史を分かりやすく説明していきます。

~捜査が変わった時~

機動捜査隊の歴史は古く、始まりは高度経済成長の時代に遡ります。
昭和40年代の日本では、
・科学技術の発展
・経済の高度成長、
・都市化
などにより、これまでに考えられないような大型犯罪が発生するようになりました。
それに加え、交通機関が発達した事に伴って車を利用した犯罪が増えるなど、犯罪の広域化、スピード化の傾向が目立つようにもなりました。

その上、都市化が理由となり、人と人とのつながりが薄れていくように…
これは聞き込みなどの「人からの捜査」を難しくさせ、検挙率は昭和40年から昭和44年までの間、連続して低下。
捜査能力のさらなる強化が求められる事となります。

~機動捜査隊の誕生~

警察庁はこれを受け、捜査体制の強化のため、昭和45年に「刑事警察刷新強化対策要綱」を策定。
これを踏まえ、警察庁は発達の著しい科学技術の捜査への活用を進める事となり、都道府県警察では機動捜査隊及び特殊事件捜査係の設置と初動捜査活動の強化等を進める事になりました。

昭和40年代の機動捜査隊

これが機動捜査隊の誕生の瞬間です。
その後、機動捜査隊は昭和46年までに警視庁と各道府県警察本部に設置され、現在も初動捜査の要として活動を続けています。

よくある(?)疑問

「MIU」ってどう読むの?

一部の機動捜査隊では帽子やバッジ、レイドジャケットなどにに「MIU」と印字されたものを使用しています。
これは英称の「MOBILE INVESTIGATION UNIT」の頭文字を取ったものです。

MIUをドラマのように「ミュウ」と呼ぶ事はありませんが、「エム・アイ・ユー」と呼ぶ事はあります。
ですが「機捜(きそう)」と呼ぶ事が多く、そちらの方が通じやすいでしょう。

「まるごとメロンパン号」のような車両ってあるの?

『MIU404』の劇中には主人公二人の乗る車として「まるごとメロンパン号」が登場します。

実際にはこのような車は実在しません。
ですが「特殊な車」というカテゴリでは警視庁などの一部に数台ほど存在します。

出典 警視庁公式チャンネル

それがこれです!
警視庁など一部ではバスをベースとした指揮車を独自に配備しています。
非常にレアな車なので見つけたらラッキーでしょう。

「機動」がつく他の部隊とはどう違うの?機動隊編

名前が似ている機動隊と交通機動隊。
「機動」というワードが入っていますがどう違うのでしょうか?
まずは機動隊との違いから。

機動隊は警備部という部署に所属しています。

・テロ対策など治安の維持に関係する活動
・大規模な災害が起きた際の救助活動
・山や海での遭難事故等が起きた際の人命救助
機動隊はこのような役割がメインであり、刑事部に所属する機動捜査隊とは大きく違います。

出動服&防護用装備コーデの機動隊員。

また、服装もかなり違います。

「機動」がつく他の部隊とはどう違うの?交通機動隊編

次は交通機動隊との違いを説明していきましょう。
交通機動隊は交通部という部署に所属し、幹線道路での交通取り締まりが主な役割です。
ちなみに白バイ隊員も交通機動隊に属し、交通取り締まりを行なっています。

「機動」がつく他の部隊とはどう違うの?公安機動捜査隊編

公安機動捜査隊は警視庁公安部という部署に所属し、爆発物などを使用したテロの初動捜査や鑑識などを行います。
見かける事が非常に少ない激レア部隊です。

覆面パトカー。機動捜査隊はどのタイプを使うの?

覆面パトカーと聞くと二つのタイプを思い浮かべる人も多いでしょう。
刑事が赤色灯を車に取り付けるタイプ。
くるっと反転して赤色灯が現れるタイプ。
機動捜査隊は上のタイプを使います。

機動捜査隊の覆面パトカーはルーフ(屋根)の上に赤色灯をくっつける脱着式。

機動捜査隊の覆面パトカー

交通機動隊の覆面パトカーはルーフ(屋根)の中央の一部がくるっと回転して赤色灯が出現する反転式です。

交通機動隊の覆面パトカー

機捜ワード「密行」って何?

密行とは覆面パトカーを使用したパトロールの事です。
事件の発生や110番の通報に備えています。

最後に

意外とよく分からない機動捜査隊。
それに少しでも興味を持ってくれる方が増えたら非常に嬉しいです。


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サムネイル画像はhttps://youtu.be/3LYwsyXVbAI?si=s3VI_990baT8z2HYよりスクリーンショットしたものを使用しました。

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