OMCB008 参加記

こんばんは。
本記事では2024/5/3に開催されたOMCB008の感想などを書いていきます。
第27回灘中入試模試の方に参加していたこともあって、すっかり忘れていましたが、通常コンテストもありました。ちょうど時間も空いてたので参加しました。
writerは8人バラバラ回でした。問題番号が古いことが推察できます(だから何、という感じですが)
問題ページは以下です。



参加時の動き

配点は 1-1-1-2-2-3-3-3
チーム戦も関係ないので、今回は解き貯めと問題選別をせずに開いたものから解く、というのを試してみることにしました。

F

OMCB008 F問題


等脚台形で、いろんな長さが直ぐわかるので、相似と三平方を使って計算。
HB⊥AC HA=HCなどを活用
長さだけに注目していじればもっと速くできたかも。

G

OMCB008 G問題

nの書かれたカードを取り出した時
n/(n+3)*(n-1)/(n+2)・・・*1/4 = 6/(n+1)(n+2)(n+2) = 1/(n+1)(n+2) - 1/(n+2)(n+3)となる。あとはこれを足し合わせて1/100倍する
ちなみに
(1/binom(n,k)-1/binom(n+1,k))*(k+1)/k = 1/binom(n+1,k+1)
となる。割と使える場面はある印象。

H

OMCB008 H問題

n^n-1 = (n-1)(n^(n-1)+・・・+1)=(n-1)((n-1)(n^(n-3)+2n^(n-4)・・・+(n-1)*1 + n)
なので、(n-1)^2で割ったあと(n-1)で割った余りが n(n-1)/2+1001となるので、これがn-1で割り切れる条件を調べる。偶奇で場合分け。
(1001の約数の和)*3 + 16となる。

E

OMCB008 E問題

図を書いてA,C,Eが同一直線で鋭角なので∠ACB=60°
挟む辺の長さをx,yとすると条件から
x+y = 12
3xy*sqrt(3)/4 = 7sqrt(3) 
で余弦定理からx^2+y^2-xyがしりたいので、(x+y)^2-3xyと式変形して代入する。
…のだが、実際にx,yを求めて図を書くと鈍角三角形になってしまっているという事実 全く気づきませんでした… そもそもx,yの具体値すら求めてないので、自分に石を投げる権利はなさそう。

D

OMCB008 D問題

まず9の倍数であり、約数の個数の条件からp^9 or p^4qとなる。
3^9は3桁でないので、81qで1000未満のものを全部チェックする。
200点のNってたぶんこういう問題がいっぱいあるんだろうなと想像。
これを解いた後、A,B,Cを開いて題意を何となく把握。

C

OMCB008 C問題

sqrt(n+4)-sqrt(n)=4/(sqrt(n)+sqrt(n+4))で
sqrt(4/(sqrt(n)+sqrt(n+4)))=2/sqrt((sqrt(n)+sqrt(n+4))) <= 0.1
なので、400 <=sqrt(n)+sqrt(n+4)
だいたいsqrt(n)=200ぐらいが境目。この辺を電卓でしらべる。
ちなみに平均値の定理からx=200で
sqrt(x^2-2)+sqrt(x^2+2)<2sqrt(x^2)=2x=400
なので、200^2-2は条件を満たさず、200^2は明らかに条件をみたすので、実質的には39999のみ調べる感じ。

B

OMCB008 B問題

A,Bで偏りがないのでBの勝つ確率も23パーセント
よってあいこは54パーセント。x^2+y^2+z^2=54となる。
1,2としたら一発でヒット。

A

OMCB008 A問題

一瞬戸惑うけど、最悪(4桁なので)全部かけばいい。といいつつ、コンテスト中はひっくり返して一致するのが4つなのを確認して投げた。

感想と反省

8問正解23分39秒ノーペナで1位でした!A~Eがかなりテンポよく解けて、F,G,Hは小さな反省点こそあれど、特に詰まることなく解けたので、噛み合って一位が取れました。ただ、FのFA2分やHのFA4分(よく見るとDの後に解いてるのでD,H合わせて4分)といった局所的なタイムには勝てる気がしません…
問題全体としては、A分野がほぼなく、少しだけ偏りがある感じはしましたが、お手軽な難易度と感じました。ただ、difficultyの数値的には300点で一気に増えている感じで、このFやGでもこのdifficultyになるのだなとちょっと勉強になりました。
個別で見ると、H問題は面白かったです、二項定理を活用すればもっと速く解けたかもしれません。手札としては覚えておきたい筋です。難問のパーツになりそうな問題でした。
不備のあったE問題については、自分は不備には気づかなかったですが、仮に(鋭角準拠の)補助線を引いて長さを求めるとしてもどこかで負の数値になるというだけで、そのまま長さの二乗を求めれば一応答えとなる点、単一解を要求していて、鈍角となるところが出る以外は問題として成立している点(正しい答えが「解なし」のパターン)、実際にこの影響は軽微であろうという点を受けてunratedにはならず、有効回となりました。
tester,writerがあれほどいても気づかれなかった上に、SNSでも本質的にこれのせいで答えられなかった人を見かけなかったので、まあ理解できる采配ではありますが、個人的な意見としては変な前例を作らないためにもunratedでもいいのかなと思いました。逆に、鋭角かどうかという条件に注意するところがクリティカルになる問題として、最近のものだとhttps://onlinemathcontest.com/contests/omc212/tasks/7165

なんかが挙げられると思います。(他にもたくさん出ていると思います)
作問時やtester時にはこの辺りに気を付けないといけないなという教訓になりました。
また、今のところ記事にしようか迷っているのでここに書いてしまいますが、前日に開催されて第27回灘中入試模試がこの日までで、こちらの方も優勝できていたので、一日に二つ優勝することができました。調子よさそうです。(ただ、どちらも問題側に不備があった関係で運よく取れた感じなので、あまり胸を張って言える結果でもないですが…)

雑多なトピックス

コンテストの宣伝を再度させていただきます。(実質サボってます、すいません。)
また、過去に私が作った問題も後ろに掲載しておきます。
・OMC219
writerに選ばれました!
コンテストページは以下になります。

次回の参加記はwriter目線での記事になります。滞りなく実施出来ることを祈りつつ準備進めてます。
前回の記事でも書きましたが、問題への率直な感想をお待ちしております。

・ポロロッカ bzuL Math Contest
開催日未定ですが、適当に頃合いを見て開催予定です。コンテストページは以下です。

どういう形にしようか迷っていますが、問題の中身自体は決定しています。OMC不採用+ストックの種にあった問題を雑にいじって作った問題で構成されます。
・他私の作問した問題
過去に私が作問して公開したものを掲載しておきます。ちょっとネタバレも書いているので、気を付けてください。

ただの計算問題と言われてしまえばそれまでという感じの問題。
他の作問勢から改題アドバイスをいただいたりしました。やはり問題を公開したほうがいろんな意見が得られてよいですね。

②ポロロッカ投稿問題

-Furret sequence 1 分野C
主客転倒の基礎問題。一応ネタとして2,3も用意してましたが、一旦ポロロッカには出さないでおいてます。
-OMC不採用問題改題 分野N
主客転倒と約数和
改題前は本当に約数和の計算をちょっといじっただけの問題でした。さすがに不採用になりますね…
-線分の積 分野A
これは数オリっぽさがない上に求値化も無理やりなのでOMCに提出せず没にしていた問題。知識要素強め。
-OMC不採用問題改題その2 分野N
証明向き・エスパーがしやすいということで却下された問題。感想で指摘されましたが、Hensel's Lemmaのような議論をします(というとだいぶ答えが絞れそうですが…)。
-初等幾何サンプル問題 分野G
初等幾何の問題を全く放流していなかったので、お試しで放流した問題。思ったよりもお手軽かついい問題になって、好評でした。解き方もたくさんあると思うので、意外と一番着手をオススメできる問題かもしれません。


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