OMC207 参加記

こんばんは。
本記事では2024/2/14に開催されたOMC207 (for beginners)の感想などを書いていきます。
今回もまた203以前と同様8問80分、ペナルティ3分という形式での開催のようです。また、チーム戦もショートスパンでの開催となったため、今回が一旦最終戦です。前回終了時点で、1位と結構離されてしまったので、FA狙いつつ一定の順位を取る、というのを目標に(結局いつも通りですが)臨みました。
また、最近ペナルティが嵩んでいる感覚があるので、今回はある程度検算もこなしつつ取り組もうと思っていました。
先日JJMO/JMOがあったので、そちらで割と盛り上がっていましたが、やはり短答とはちょっと頭の使い方違いますね。その話もしようかと思いましたが、まあ外野の言及は特に意味がないと思うので止めておきます。
今回の問題ページは以下です。


参加時の動き

点数は 1-1-1-2-3-3-3-3
前回の8問の時(OMC203)の200点が一つ100点に落ちている形で、後半4問をいかにうまく解くか、という形式。冒頭にも書いたように、300点の4問で相性のよさそうな問題でFAを狙いつつ、そのあとは精度を気にしながらやる立ち回りを意識。

F

OMC207 F問題

作業でできることが保証されているこの問題から。ただ、積=2^10*5^100と積の中身の剰余から決めていく実質的には組み合わせの問題になりそうで、場合によっては相当慎重にやる必要があると思いつつ手を動かす。
a~a+2k-1で総和を計算するとk(2a+2k-1)で、必要十分な制約としては2a+2k-1が奇数、のみで、具体的にk=2^10*5^t,2a+2k-1=5^(100-t)
と書けて、あとはaが正であることからtを絞る。対数の計算をしたこともあって、慎重にこなしたため少し時間を食う。

G

OMC207 G問題

紙に添え字をいちいち書くのが面倒だが、とにかく条件の整理がややこしそうな問題。
全部かけたり全部足したりして良い式変形がないか模索するも、微妙そうだったので、x1=1を代入して整理してみると、x_5=x_6^3となるので、変数が一つ消せて、よく見るとここからx_2まですべてx_6の冪で書ける。最初の条件から、x_6^93=x_6^30となり、これを満たすものは上記の式を満たすため、0を除くことからx_6^63-1の根の個数。問題の位置的にきれいな式変形を模索したが、式の個数的にも何か一個パラメーターで表せると思って模索したほうがよかった。

E

OMC207 E問題

5回目に残ったものが全部表になり、他の物の推移を列挙して計算しようとするも、かなり計算がきつそう。さすがに組み合わせ的思考をする必要があるので、頭を使ってみる。
数列の計算のように、総和から各項を求める要領で、n回以下で操作が終わる確率を考えると計算がしやすい。どれかがn回より多くかかる確率がn回すべて裏が出る確率なので、(1/2)^n よってn回以下でそのコインの分が終わる確率が(1-(1/2)^n)と計算できて、これが4枚分あるので4乗する。あとは5回以下から4回以下を引く。
思考時間的にはそこまで時間は食っていないけども、初手の悪さはやはり目についちゃいますね…
H幾何なので他を拾うことに。この動きもある意味安定してきた。いつか分野順番を気にせずに後ろから取り組んでみたいけど、その場合チーム戦は少し捨てるリスクもあるのでなかなか気が向かないんですよね。

D

OMC207 D問題

シンプルに3桁のものに対するA_n-B_n計算を追うと99*(a-c)と書けるので、99の倍数が必要。後はそれぞれ調べればよい。(不等式評価を挟んでもよいけど、まあ作業で気づく)
ちなみに、この性質を持つ数をKaprekar numberというらしい。(ちなみにこの名前で別の性質のものもある)前回のRepunitに引き続き、数学というよりはクイズっぽい内容なので、あまり興味が持てないですね。知識認定している人や、この固有名詞を投稿している人が結構いてびっくり。

A

OMC207 A問題

シンプルにn^2,m^2と置いて差を見るとpが消えてn^2-m^2=2021となり、あとは因数分解とp>0から答えがわかる。
おそらく2021年に作られた問題。どうせなら2024にしてもいいと思ったけど、計算が面倒になりそう。
ところで変数名が素数でもないのにpなのは何かの名残?

B

OMC207 B問題

特にいい方法も浮かばなかったので、3つ目の解をcとして係数比較。
a,bがcで表せ、abの等式からcの二次方程式が立ち、そこからa+bを求める。
最初符号を間違えて整数にならず、時間を食った。

C

OMC207 C問題

半径は面積/周長*定数なので、面積、周長の比を並べて計算。AM=5/2に注意
面積比2:1:1
周長比12:8:9 より 12:9:8

H

OMC207 H問題

H,P,C,Qは共円で、∠PQC=30°なので∠PHC=30°となるため、三角形自体はすぐに一意に書ける。あとはX,Yの特徴づけだが、垂心と外接円が出てきたときに、垂線の足をH中心に二倍拡大した位置に移すと外接円上に移ることを利用すると、AH,BHとΓの交点がX,Yに一致し、中点連結定理から2PQ=XYなので、PQがわかればよい。あとは計算すればいい。数値を追うとACH=15°が得られて、PHQ=105°などからもすぐに計算できる。最後の計算が少し遅かったけど(角度を経由せず普通に三平方を使いまくるorトレミーに帰着の方が速い)、300点幾何にしてはかなりいい速度で解けた。

感想と反省

8問正解39分46秒で11位でした!
ペナルティなしで終えられたのはとても良かったですが、F,G,A,Bでのもたつきの分、上位勢とは10分以上の差が付けられてしまいました。ただ、もたつきといっても普段の自分通りの実力と思うので、理想通りに動けたとしても上位勢にはかなわないなという印象です。
問題セットはかなりbeginnerらしいセットで、その分自分としてはスピードが出し切れなかったという形です。
問題別にみると、Bの模範解答とEが面白かったです。どちらも丁度よい易しい問題、と思いました。
H問題はよく出る性質と計算しやすい数値の割に解かれていないなという印象です。初等幾何はある点数から急激に難しくなる印象で、自分にとってその境目が500点ぐらいなのかもしれません。
チーム戦の方は2位で終わりました。今回おそらく1,2位+全FAとかでも追いつけないぐらいの差がついていたので、他チームが強すぎたかなと思いました。ただ、自分はFAは一個も取れず、205ではペナルティのせいで20点近く失っていることを考慮すると、そのあたりが反省点かなと思いました。
(個人的には得点傾斜やtesterの扱いについて再考の余地があるように思いました。加えて、「得点に計算される人」がいつも同じような気がするので、できたらうまいこと「その人比で良い成績」であることを評価出来たらよさそうです。ただ、良い代替案を構築できているわけではないので戯言に過ぎません。)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?