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OMCB004 参加記

こんばんは。
本記事では2024/4/4に開催されたOMCB004の感想などを書いていきます。
新年度一発目で、ナンバリング方法もリニューアルされたOMCB回となります!実は昔このナンバリングで進行していたらしく、その分004という少し中途半端な番号から始まっています。
チーム戦では初めてCaptainをやってみることになりました。同じチームの皆さんはよろしくお願いします。
また、橙色で取り組む初のコンテストということで、ちょっとプレッシャーもありました。慣れたいものです。
問題ページは以下です。


参加時の動き

配点は 1-1-1-1-2-2-3-3 と前回と比べて大分軽い配分
100点4問は初で、相当スピード勝負になりそう。スピード勝負は超上位勢とは戦えないことは過去の結果からもわかっているので、とにかくミスをしないことを意識。

G

OMCB004 G問題

これ、Writerをスクショしようとすると、LIKEDの数が写っていつ撮ったのか何となく推測出来ちゃいそうですね
一瞬戸惑うも、約数の個数分増えることがわかる。約数が3個⇔p^2
sqrt(5000)以下の最大の素数は67なので67^2を答える…がWA
よく見たら聞かれている添え字は増える前の方なので、67^2-1が答え
精度を意識するとか言いながらいきなりの大失態…
Hが幾何なので飛ばす

F

OMCB004 F問題

存じ上げない方だけど、自分が参加するちょっと前までアクティブだった人だった。
n!の割り切れる回数はルジャンドルの定理
500乗が許容される最大指数を求めて、その約数和を見る感じでよい。

E

OMCB004 E問題

Xかそうでないか、は最初の4文字の様子を決定すればあとは自動で定まる。
その中で2^(Xでない文字の個数)個存在するので、これらを足す。

H

OMCB004 H問題

ちょっと迷走してしまったけど、∠AHO=90°よりHO//BCなのでAO:OD=2:1
BO=AO=CO=xとおくとOD=x/2で、三角形OBCにおいてスチュワートの定理を使えば終わり。オイラー線の考察とかをして時間を浪費してしまった。

A

OMCB004 A問題

T= (S+T+R)+(T+A+S)-(S+T+A+R+S) =3 を90から引く。
文字はO,M,C,Bとかのほうがよさそう?

B

OMCB004 B問題

7は素数なのでp^6のみ。

C

OMCB004 C問題

途中まで長さをごり押し計算しようとして浪費。面積比に気づけば、△ABC=100xとすると△PQR=64xで、残りの三領域は等しい面積なので12xと求まる。よって、(12*sqrt(3)/4)^2

D

OMCB004 D問題

a=180(n-2),b=n(n-3)/2 で不等式を整理。 19以下で、3以上に注意。
この式の意味がよくわからなかった上に、解の範囲があまり面白くないので、作業としか思えず…

感想と反省

8問正解23分20秒1ペナで12位でした。GでのミスやHが遅かったのが主な反省点ですが、それ以外にも全体的に細かく時間を食ったなという印象です。
立ち回りとして、最初にペナルティを出してしまったのはちょっと精神的にはダメージ大きかったかもしれません。上位勢にはかなわないにしても、20分を切るぐらいのスピードは出せるべきでした。今年度の目標としてもスピード改善を掲げていたので、もうちょっと頑張りたいところ。
問題セットとしては前回の賞金ありの時の内容とはうってかわって、全問正解者がかなりたくさんいるような点数通りの易しいセットでした。個人的には苦手なタイプのセットですが、やはり、「4bはこれぐらいでいい」という感想です。全問正解して喜んでいる人も多く見かけましたし、新年度初参加、みたいな人にもこれぐらいの方がサクサク解けて気分がよくなるようにも思います。
各問題としては、全体的に教育的というか、経験値が直接活かせる問題が多かったと思います。G問題の性質は何度か出てきている内容ですが、面白いですよね。

雑多なトピックス

前回はexpert回でボリューム多めだったのでスキップしていましたが、前々回に引き続き、OMCでの各分野の特徴を列挙していきたいと思います。
今回は初等幾何です。筆者がそもそもあまり得意ではない上に、ジャンル分けの粒度設定が難しいのですが、参加を重ねていくうちに何となく傾向がつかめてきたので、それを(抽象的になりますが)列挙したいと思います。

どの分野も「求値と証明問題の差」が結局テーマになってきますが、初等幾何は特にこの要素が大きいでしょう。ただ、出題問題については他分野だと同じ短答形式のJMOの予選ではあまり出ない領域というのがありますが、幾何に関してはあまりないという印象です。強いて言うなら、図が与えられているタイプの幾何でしょうか?あとは複数回解答でき、誤答かどうかのフィードバックがあるという関係上、OMCではラングレーの問題のような角度を問う系の問題や、小さい数字での求値は出題されにくいです。逆に言えば、こういった細かい差を除けば、「OMCの初等幾何特有」というものはあまりないという印象です。あるとしたら出題者の癖による偏りになるでしょう。
ということで、今回は比較対象を証明に置いたうえで、特徴を書きたいと思います。
・余弦定理(スチュワートの定理)の強さ
OMCでは短答という性質上、図形が有限個に定まっていることが殆どです。したがって、具体的な値計算が確実な進捗となります。初等幾何の証明においては根号の中身が文字で複雑になったり、変数がぐちゃぐちゃの煩雑な式をうまく処理する、という部分が具体値になり、答えの形式から複雑すぎる根号があり得ない、というような絞り方もできるため、何も浮かばないときはとにかくどこかの長さを求めるという作業が一応できます。
特に確定した図形における長さや三角比を与える余弦定理は非常に強力です。余弦定理の中でも長さに特化したスチュワートの定理は初等解に苦手意識がある人には必須となります。
・図示
前述の通り、図が直ぐに有限個に定まるケースだと、図示はとても強力です。図示の方法もかなり大事になってきます。適当に相似拡大をした図を書いて、ある程度の値の範囲に見切りをつけることは直接答えを求めるだけでなく、計算ミスを防ぐ手段にもなります。
また、具体値を求めるだけでなく、性質の予測にも役立ちます。これは(苦手意識がある人に対しては特に)証明においても重要です。186EのRagnellさんのユーザー解説でも言及されていますが、図示の順番を工夫することで、制約に対してきれいに図示できることがあります。

証明よりの話題になりますが、性質を発見するという点では「一般の三角形」を書けるような練習をすることも大事なってきたりします。
あと、OMCでは長さの比を極端に偏らせることで作図を難しくするような出題が結構多いので、結局性質を見つけることが大事になります。3つぐらい同じ状況での構図を書いて共通の性質を見出す、というのもよいでしょう。
ともかく、証明がいらないので、「性質を見つけさえすればよい」というのは大きな違いです。

・条件による制約から考察

前記で当たり前のように触れましたが、条件から図形が一意に定まるかどうか、というのが重要な考察になることもあります。作問でもかなり重要です。
例えば制約が緩く、図が一意に定まらないときに、勝手に値を設定して答えを求める、というのが有力な時があります。
逆に、条件が多すぎるというケースもあります。出題されている以上、図が存在しないことはないのですが、多すぎる条件がゆえにいろいろ計算ができて泥沼にはまる、というのもよくあります。
証明においてはこういう考察はあまりしない印象です。

・立体幾何
最後に、OMCだと割とよく出る立体幾何について触れます。
数オリ系の試験ではほとんど問われることが無いですが、OMCだと(難易度を上げやすいという点も含めて)出題頻度がそこそこあるイメージです。
四面体関連の定理(四平方(射影)、直方体への埋め込み)や、座標計算、切断による平面への帰着、反転などなど、ちょっと計算が絡みがちですが、最低限押さえておくと有利になるかもしれません。

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