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何色だっていい!B'z「マミレナ」を歌詞解釈してみた

この記事を投稿する頃には アルバム「HighwayX」が発売されている事でしょう。

いつもならアルバムを買って初めて歌詞が分かるので、表紙になっている歌詞カードをじっくり見ながら歌詞解釈してたものです。

しかしながら今回はアルバム発売より前にツアーが始まった影響もあってか、発売より1ヶ月より前に公式から歌詞が発表されました。

全11曲の中から1番歌詞解釈しやすいな〜と思ったのが今回紹介する「マミレナ」です。

理由は歌詞解釈しながら説明していきましょうか。

まずは

「歌詞に出てくる色の数」


です。

ざっと挙げていくだけでも

アメ色のコーヒー
真っ白いままで
ピンクの薬
・I'm a green boy
・人生はblueだなんて
・太陽は明日も真っ赤に燃える
金色にゃ輝けないなんて

となんと7色も歌詞に登場しているんですよね。
これは会報でも稲葉さんが意図的に入れたと明言しております。

たとえばREDのサビがそれぞれR、E、Dの頭文字を取っているというような分かりやすいメッセージはあまり歌詞を見ない人達にとっても目がいきやすく、マミレナの色の表現も誰にとっても易しい表現だなって思いました。

そして分かりやすい2つ目の理由は結論が非常に単純であること。

つまり、

「何色だっていい まみれな」


これだけです。

まみれるは「塗れる」と漢字では表され、意味は「泥や汗が一面にくっついて汚れる」が一般的とされています。

そう、あんまり筆者自身も歌詞を見るまではマミレナ=泥臭い、なにか茶色を彷彿とさせるイメージではありました。

しかし、稲葉さんは「何色だっていい」と言い、散りばめられた歌詞にはどちらかというと綺麗な色がラインナップされていました。ライブの演出もカラフルで綺麗でしたよね〜

最終的なメッセージとしては、色は人の数だけ存在すると思います。何色になるかは重要事項ではなく「塗れる(マミレル)」事こそが重要だと言っています。

つまり、一般的な意味合いでいう汗かいてひたむきに頑張れよ!っていうのがマミレナ!という稲葉さんのメッセージになってます。カタカナというのもまた泥臭さが出てますよね。



本当はここで終わっちゃってもいいんですが、流石にまとめサイトみたいなクオリティになってしまいますので一通り歌詞解釈はしていきますよ。


もう済んじまったことへの後悔 ズルズル引きずられてるよモーニング
本日のアレコレ調子はどうだい?
すっかり冷めてアメ色のコーヒーを流す

どうでもいいことに絡め取られる 日が続いてますけど It’s alright

汚れてごらんな 自分になんな 真っ白いままでいたいなんて
ぬるいこと言うなよ 皆苦しいんだよ
何色だっていいまみれな

穢れなく可愛いかった僕も 恋などしたりして薹が立って
寝る前ピンクの薬もグッと お酒で飲みほせるようになって

大人のルールも 理解して肉体労働 硬派ぶってますけど I’m a green boy

汚れてごらんな 自分になんな 人生は blue だとかって酔っ払って
ぬるいこと言うなよ 皆苦しいんだよ 何色だっていいまみれな

汚れてごらんな 自分になんな 太陽は明日も真っ赤に燃える
人のことなど気にしない街で どうせ金色にゃ輝けないなんて
ぬるいこと言うなよ 皆苦しいんだよ 何色だっていいまみれな

B'z「マミレナ」
作詞:KOSHI INABA   作曲:TAK MATSUMOTO


1番 日々に引きずられている無気力な人生

主人公は何に対してかは分かりませんが過去の過ちを悔いており引きずっています。いや、引きずられています。
引きずるよりも「引きずられてる」っていうのが過ちに束縛されているなと推察できますね。

でも悩むのって1人で暇だからなんですよ。
仕事など始まって色んな事(アレコレ)調子はどうだい?と聞かれ、捌いていくうちに引きずるのをやめようと気持ちが「冷めて」いきます。

これがコーヒーが「冷める」とのダブルミーニングになっています。
仕事始めに入れたコーヒーがいつの間にか時間が経って冷めていったという時間の経過を表しています。

(引きずられている時間が長かったからコーヒーが冷めてしまったという歌詞解釈もアリだと思います。)

そしてアメ色のコーヒー、アメ色というのは橙に近い色で要するにミルクの入った混ざったコーヒーなのです。
アメ色のコーヒーを飲むのではなく「流す」、味わうのではなく何も考えないで忘れてしまおうっていう意志が伝わります。

過ちに引きずられて尚モヤモヤした心情をコーヒー1つでよく表現しているなと…

とか言いながら仕事中は頑張ってるのですが、また仕事が終わって1人になったらまた引きずられているんでしょうね。

じゃないと どうでもいいことに絡め取られる日が続いてるだなんて言わないですよね。

何がIt's alrightやねんと思いますけど(大丈夫じゃないやろ…)サビ行きます。

結局今の主人公はあれこれと縛られてはいながら打破しようと思わず受け入れてしまって、ある種の無気力になっているのでしょう。

そんな主人公に稲葉さん直々の喝!です

まずは汚れろ!過去などに囚われず今を生きろ!という事ですね。

自分になりな!自分の気持ちに正直になれ!

真っ白いままでいたいなんてぬるい事言うなよ!自分は悪くないと思うのは簡単だけどそれじゃ何も進展しないぞ!

みんな苦しいんだよ!誰もが悩みの1つや2つは抱えながらも必死に生きてるんだ!

何色だっていい マミレナ!!

稲葉さんはサビ始めに汚れてごらんなと言っているのはまずはマミレル事から始めろ!とじゃないと今の絡め取られてる現状から抜け出せないよと稲葉さん流のアプローチという訳です。



2番 心が未熟なまま大人になった自分


昔は穢れなく可愛かった僕…まあそう自分で言えるのは今の自分が心が穢れてしまったからでしょう。

ここでは穢れ=汚れではないのは注意していただきたいですね。まあ穢れ=不純になったと言えば分かるでしょう。
汚れてごらんなというのは不純になれという事ではなく頑張れって事なので…。


ピンクの薬💊というのもまた性を思わせる色を直感させるアイテムをお酒で飲み干せるようになったのもまた大人になったということなのでしょうか?

もしそれを本当に大人になったからできたと思っているのならば心は未熟なままですよね。

そんな感じで恋を重ねていくうちに薹が立ってしまった訳ですね。

まあ、ここで薹が立つの説明をしないといけません。なぜって?

薹が読めないから歌詞解釈出来なかったんです…


筆者と同じように読めなかったという人もいる方もいるでしょう。
そして読めなければ意味も分からないしそもそもどう検索すればいいのかも分かりません。

なのでわざわざ筆記した文字から検索できるアプリをインストールして調べてみましたよ!

とうと読むらしく、単独の意味では「アブラ菜、フキなどの花軸、花茎」
根っこあるいは枝から花にかけて伸びている部分らしいです。
という事はその薹が立つというのは成長しきったニュアンスを彷彿とさせますが、アブラ菜やフキの花茎が成長(立つ)すると硬くなって食べ頃を過ぎてしまうそうです。

そこから恋愛に転じて若い盛りの時期を過ぎるという意味で使われるそうです。
ありがとうございます、稲葉先生。また1つ僕は賢くなりました。

本題に戻りますが、恋などしたりして薹が立ってしまうというこの歌詞のニュアンス的には

とりあえずテキトーに生きてたら年だけ取ってしまった主人公が思い浮かびます。

お酒が飲めるようになった、恋をした、大人のルールも理解した だけの人なんです。
I'm a green boy(私は未熟な少年)と自分で認めてるだけマシかもしれませんが。

お酒飲んでは人生はblueだとかって自分の人生をネガティブな被害者ヅラして酔っ払って発散してるんです。

大人のルールを理解して肉体労働…も本来はそうやって現状の不満を無理やり受け入れようとしてカッコ付けてる(硬派ぶってる)だけなんですよね。

結局1番の歌詞にも説明したように、自分から動こうとはしない体たらくな部分が出ています。またもや2番でも同じく稲葉さんの喝!!が入ります。



ラスト 不変と可変

タイトルの不変…とは「自然」そして「街」
そして可変…とは「人間のポテンシャル」を表しております。
これは稲葉さんにはよく引き合いに出される例えで今回では「太陽は明日も真っ赤に燃える」という歌詞に出てます。
たとえくもりでも雨でもその日は太陽が見えないだけであり、天体としての太陽は何も変わらず燃え続けています。

稲葉さんが歌詞によく書く「街」もまた無機質性を帯びており人がめまぐるしく動く雑多な様子を「人のことなど気にしない街」と書く事でより冷たい無関心さも強調されてるように思えます。

それとは対比的に人間の可能性は無限であるということをよく稲葉さんは歌詞にも出しており、今回のマミレナのメッセージでもあります。

それを自分からどうせ金色にゃ輝けないとか自分の可能性にフタをするような発言を「何か実行する前から」するのは違うんじゃないかと諭しています。

まずは自分がこうなりたい!って思ったらそうなるように生きてゆけ!とまるで「ねがい」の歌詞みたいな結論になりますね。
まあ、願うとか悩むとか努力を要しないやり方じゃ何も身に付かないんです。

自分の手を汚す、汗水垂らして一生懸命頑張って生きてみな! 
シンプルではありますがそれこそがマミレナなのです。



まあマミレナは非常に歌詞解釈としては取っ付きやすいですが、よくよく見てみるとすっかり冷めたコーヒーのダブルミーニングだとか、薹が立つという(筆者にとっては)難しい慣用句など、掘っていけば深い意味があるのもまた歌詞解釈の醍醐味でもあります。

また、歌詞解釈する人によっても答えが違うことだってよくあります。
それもそのはずなんです。人によって色が違うのですから。まずは歌詞解釈をやってみるのもアリかもしれません。

どんな答えだっていい 歌詞解釈にマミレナ


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