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部活A。部長が決まらない

3年生が引退して、新部長を決める時期になった。
が、夏休みに入っても部長が決まらない。

わたしは顧問ではなく、外部講師として勤務している。書道部だ。

書道部といっても、半紙練習をやるだけではなく、パフォーマンスで遠征したり、大作の依頼をこなしたりと、イベントの話が次々に来る。
それを週2回の、……いや、わたしが実技指導できるのは週1なので、実質週1回の活動で回していかなければならない、かなりブラックな部活なのだ。

顧問も、書道のことはまったく触れたこともないと公言していて、筆が動物の毛でできていることをも知らなかった生物教師である。

ただ、生徒たちはとても楽しそうなのでそれでいいと思う。

新部長は、押し付けあっていて決まらないわけではなく、2人の候補者が譲らないという状況であるらしい。
そしてどちらも決め手がなく、話し合いを重ねているところらしい。

候補の1人は、今まで生徒会活動をやっていたが、部長をやりたいがために、次期生徒会に立候補するのをやめたという、一見やる気満々な子。でも、生徒会のせいで今までの部活出席率は5割なので実は部活のことをよく分かっていない。そしてわたしの勤務日の部活を丸ごと休んでいるので実技指導をほぼ受けていない。ゆえに実力は1年生より低かったりする。

ここでもう1人の候補者が、「部長をやりたいので今まで100%出席してがんばってきました!」というのなら迷うことはなかったのだが。
もう1人は真面目でおとなしく、しっかり者に見える感じの子ではあるが、途中参加も欠席もそこそこある印象。展覧会活動はまあまあ取り組むが書道パフォーマンスは好きじゃないみたいだ。

顧問は特になにもアドバイス等はしていないようなので、外部講師の立場であれこれ口は出せない。

どちらが部長になってもいいように、気持ちだけは準備しておく所存である。

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