音MAD系の人が集まるSNSを運営してみて

この記事は「音MAD Advent Calender 2023」に参加しています。


こんばんは。イケダと申します。

皆さんは「Misskey」というのを憶えているでしょうか?

今の今迄御忘れだった方も多いでしょう。Twitter改めXが、色々ゴタゴタしている時に代替サービスと話題になったSNSの1つです。

私は、そのMisskeyで、「音MAD系の人が集まっているSNS座談會俱樂部」を運営しています。御陰様で先日1周年を迎え、まあまあ多くの音MAD系の方々に日々御利用頂いております。

ここでは、その「座談會俱樂部」、通称「ざくら」を約1年程運営してみて、感じた事、思った事、気づいた事を色々書かせて頂こうかと思います。

結構マニアックな話ですし、ぶっちゃけ音MADに直接関係無い話ですが(自分が参加を決めた時にはそこ迄人が集まってなかったので良いと思ったんです)、音MAD界隈でもよく行われているDiscordサーバの運営とかにも、ほんの少しは関係してくるとは思います。

まあまあお金が必要

ウェブサービスを運営する為には色々な物が必要です。サーバもそうですし、ドメインも必要になります。他にも色々あります。そこら辺の出費がまあまあかかっています。

ここ数ヶ月、ざくらの運営の為にかかった月当たりの費用を公表しているのですが、先月は8,387.80円、先々月は3,330.80円かかりました。

そこ迄かかってないじゃんと思われる方も居るかも知れませんが、私は未だ学生なので結構キツイです。まあ、これは1つの趣味として、好きでやっている部分があるので出来ていますが。

特に最近は、円安やインフレ、燃料費の高騰等、色々あったせいで、ざくらを運営する為に作っているサービスも値上がりしていっています。ざくらという小規模なサービスでさえまあまあお金がかかる訳ですから、大規模なサービスとかになると、これはもう大変なんだなと感じます。

そういうのを考えると、ニコニコとかも大変なんだな……と身に沁みて実感します。そりゃあ、プレミアム会員費だって値上げするよ。

意外と要望は直接言ってくれない

これはコミュニティにもよるとは思いますが……、ユーザの意見や要望というのは、専用の場所を設けたとしても、そこに書き込んでくれるとは限りません。

ざくらでも、Misskeyの「チャンネル」という機能を使って、「要望専門チャンネル」という要望を書き込む用のタイムラインを用意しています。しかし、ここは言う程使われておらず、「こうして欲しい」といった希望要望は結構普通のタイムラインに書き込まれます。

この様な事は、ざくら以外のコミュニティでも起こり得る事だとは思いますので、例え要望フォームみたいなのを用意しているにしても、日頃からユーザの状況を見て、ユーザが何を求めているかを見ていく事が肝心なのだと思います。

人によって対応に差が出ない様に

ざくらは、私とまあまあ付き合いの有る人が多いですが、登録を開放しているので、そこ迄繋がりの無い方も利用しています。つまり、「内輪側の人」と「内輪じゃない側の人」が同居している状態です。

この様な状態のコミュニティでは、「内輪側の人」と「内輪じゃない側の人」で、運営の対応に差が出て来ない様に気をつけていく必要が当然出て来る訳です。

ちゃんとコミュニティとしてのルールを決めておくのが一番の対応策ですが、問題は、自分に近しい「内輪側の人」が、そうしたルールに対して緩く運用する様便宜を求めて来る事が有るという事です。実際に私も経験した事が有ります。

ルールを厳格に運用すると仲が良かった人から嫌われる可能性が有るし、だからといってルールを無視して良いとすると、そのルールが形骸化してしまったり、一部の人を特別扱いする事で他のユーザから不満が出たりする事が考えられます。

私もここら辺の対応は苦慮しましたが、不特定多数の人が参加するコミュニティを運営していくという場合には、こういう点に覚悟が必要であると思います。

法律が絡んで来て対応が大変

こういうウェブサービスを運営していくとなると、色々関係してくる法律があったりするので、それへの対応が結構大変です。

ざくらで何か色々やっている法律と言ったら、「電子通信事業法」と「個人情報保護法」の2つです。

電気通信事業法の方は、特定のウェブサービス(ここではSNSのダイレクトメッセージ機能)を営利目的で運営する為には届出が必要、という物です。

別にざくらは営利目的での運営は行っていないのですが、ざくらの運営費回収の為にと「クリエイターサポート」のサポーターを募集していたので、念のためにと届け出をしました。

個人情報保護法の方は、個人情報を収集して個人情報のデータベースを取り扱う場合には、法律に定められた表示や措置を行う必要がある、という物です。

現在、ざくらは個人情報の登録禁止という形を取っているのですが、これはユーザにとって不便極まりない状況です。(特に、ざくらはメールアドレスが登録必須です。)その為、ここら辺の規制を解除しようと、ちゃんと個人情報保護法に対応しようとしています。

しかし、個人情報保護法は、個人情報を取り扱うにあたっての決まりを作る事や、ユーザに氏名や住所を開示する事を求めています。ここら辺がすごく大変です。

又、音MAD系の人が集まるサービスとして、気にする必要があるのが、著作権に関する事でした。特に、「発信者情報開示請求」がざくらのユーザに対してされるというのも有り得る訳です。そういうのに対応出来る様にしておく必要がありました。

更に、これはまだざくらに関係の無い部分ですが、将来的に対応する必要が出て来るかもしれない法律として「特定商取引法」という物があります。これでは、インターネット上で何か販売をする場合に、個人情報保護法と同じく氏名と住所の開示が求められています。

ここら辺は、読者の皆さんの中でも関係してくる人が多いと思います。最近では、界隈の方で、ネットで何かグッズを販売するとか、パトロンサービスをやるだとか、そういう事をやっている方も多いと思います。そういう方にもこの法律は関係して来るわけです。

FANBOXFantiaだったり、BOOTHだったり、個人でも簡単にそういうのが出来てしまう時代ですが、ここら辺は気をつける必要があります。著作権と同じ感覚でやっていると、痛い目もみるかも知れません。

こんな感じで、インターネットで何かしらサービスをやるというのは、結構法律が絡んで来て大変です。皆さんも他人事では無いので、御気を付け下さい……。


音MAD Advent Calenderに出す記事が、こんなマニアックで、音MADとは直接関係な記事でも良いのかと思いつつも……、ここまで、ざっくばらんと思った事、感じた事、気づいた事を書き連ねさせて頂きました。

起きないとは思いますが、もしXで何かが起こって、Misskeyとかに移住する動きが出て来たら、この記事を参考にして誰かざくらとは別にもう1つサーバを立てて下さい。1人じゃ持ちません。

最後に、いつも座談會俱樂部を利用して下さっている方々、本当に有難う御座います!毎日色々な人がさくらを利用して下さるのを見ると、本当に嬉しいです。

それでは、最後迄御覧頂き有難う御座いました!!

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