ニューアルバム「CANARY 」リリースに寄せて
私ではない沢山の誰かの魂に動かされてるかのような、勢いとひらめきとイメージが雷みたいにやってきて、私を駆り立てました。
そんな情熱と不思議な力と、幼い頃からの憧れの夢幻世界、その景色を生み出してくれたイメージ、詩、言葉、音楽、それを私の耳に、心に運び込んでくれたおばあちゃんの口ずさむ童謡、昔の歌手の歌声、テレビ、蓄音機、ラジオ、学校の先生のピアノと生徒のメロディー、楽譜屋さん、楽器屋さん、映画館、文化を作った人たち、町と街の風俗を形作っていた人々、そこに流れてた空気、世界のアートが日本に与えてたこと、日本のアートが世界に与えてたこと、その世界、その時代の全てのことが、自分に影響を与えてる。
今も、ずっとずっと生きている歌と、そこに関わる膨大なカルチャーに、私は自分の持ってる感謝の気持ちと全ての情熱を注ぎたいと思っています。
東京が東京だった頃の景色、どこにでもいつでも存在している幸せ。愛らしい人たち、小さな鳥や動物、恋する人たち、人を思って涙すること、本気で生きて清々しく泣いたり怒ったり笑って笑い合って広がっていく人とのエネルギーの交わり、それを今、100年後の東京に生きてる私が感じてる今。
私の今までの人生を形成してきてる大事なパーツ。
そういうことが日に日に段々と、ちょっとずつ姿を表してくる、わかってくる。
こんな面白くて楽しいことはない。
制作は七転八倒で、傷だらけですが、愛おしいミッションでした。
素晴らしいピアノ、素晴らしいプロフェッショナルの皆さんと一緒に
今までで一番好きと思える作品を創ることができました。
関わっててくださった全ての方に感謝しております。
本当にありがとうございます。
渡辺薫
3rd Album 「CANARY」
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https://kaoruwatanabe.com/information/news20220301