かぜに抗菌薬は使わない
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この記事のポイント
・抗菌薬を服用してもかぜの症状回復はかわらず、副作用が80%も多くなる。
・国内ではかぜの4~6割に不要な抗菌薬が処方されているのが実態。
・2017年6月「抗微生物薬適正使用の手引き」が公開された。
※この記事は会員制ウェブマガジン 地域医療ジャーナル 2016年09月号 vol.2(9)(2016年8月末日発行) および 2017年05月号 vol.3(5)(2007年4月末日発行)に掲載された連載記事を一部改編して転載しています。
抗菌薬使用の声明
「かぜと言ったら抗菌薬」と言っても過言ではないほどよく処方される薬でありではありますが、その効果には疑問符が付いています。効果が乏しいばかりか、耐性菌の出現など困った問題を引き起こしていることが全世界的に問題となっています。
ちょうど援護射撃のように、先ごろ東京都立小児総合医療センターのホームページで 抗菌薬の使用に関する声明 が発表されています。抗菌薬適正使用小委員会による声明です。詳しくはホームページをご覧いただければと思いますが、本稿をはじめるにあたってご紹介したいと思います。
声明はこのような内容となっています。
・風邪に抗菌薬は効きません。
・処方された抗菌薬は医師の指示通り服用しましょう。
・残った薬は捨てましょう。
・医師が抗菌薬を不要と判断した時に抗菌薬を処方してほしいというのやめましょう。
・ワクチンを接種しましょう。
ここにエビデンスは直接示されていませんが、一般向けのわかりやすい説明となっているかと思います。
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