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展開系と中速の違いって何?

今回は個別デッキ解説ではなく、もっと抽象的で基礎的な部分についての初心者向け解説となっています。

マスターデュエルから遊戯王に触れた人は、こんな思いをした事はありませんか?
・「展開系」「中速」とかってそもそも何?
・このデッキの速度分類が分からない!

この記事ではこれらの疑問を解決していきます。

遊戯王におけるゲームレンジの定義

遊戯王におけるゲームレンジの定義は、他のカードゲームの定義を拡張した物を使っています。
まず一般的に、多くのカードゲームではマナという概念があり、それによるテンポ(=ゲームレンジ)の概念が発生します。テンポとはどの位のスピード感でカードを使うかの事で、例えば3マナ持っている時に1コストのカードを3枚プレイするのと3コストのカードを1枚プレイするのは前者の方がテンポが速いと言えます。

しかし遊戯王にマナの概念は無く、初手の5枚は理論上全て1ターン目に使う事ができます。よって基本的にテンポはいつ如何なる時も一定で、他のゲームにおけるゲームレンジの概念をそのまま遊戯王に用いる事はできません。

そこで各レンジのデッキの特徴を基に定義の拡張を行います。
マナの概念があるゲームにおいて、最もテンポが速いデッキ群を「アグロ」と呼びます。これらは強くない代わりにコストが軽いカードを何枚も高速で繰り出す事で、相手よりプレイしたカード量で上回る事により試合に勝つ事を目的としたデッキです。要はアグロは「質より量」なデッキです。
反対に最もテンポが遅いデッキ群を「コントロール」と呼びます。これらはコストが重いものの相手より強いカードをプレイする事で勝つ事を目的としたデッキです。要はコントロールは「量より質」なデッキです
そしてその中間くらいのデッキを「ミッドレンジ」と言います。ミッドレンジは「量も質も同程度に重視」なデッキです。

これを遊戯王に当てはめます。
つまり「質より量」なデッキを「展開系」と定義し、速いデッキという位置付けをします。ステータスが弱いチューナーや効果を持たないトークンを大量に盤面に並べるハリラドン系統などがこれに該当します。
逆に「量より質」なデッキを「低速」と定義します。1度伏せないといけない代わりに1枚で強力な効果を持つ罠主体のデッキがこれに該当するので「罠デッキ」とも呼びます。
そして「量も質も同程度に重視」なデッキを「中速」と呼びます。相手ターンに打てる誘発や単純に強力なカードなどをバランス良く混ぜたデッキはこれに該当します。

ここで注意したいのは、量も質も高いレベルのデッキは、量と質が同程度という事で中速に分類されやすいという事です。要は周りと比べた時の展開スピードの速さではなく、そのデッキが量と質どちらを重視してるかで分類が決まるという事です。

鉄獣や相剣って展開系?中速?

初心者が混乱するポイントだと思います。
まず鉄獣は確かに展開力が高く、後攻1キルも現実的な量の供給が得意なデッキです。しかし一方で自由枠が広いデッキで、それ故に1枚で強力なカードを沢山積み込める、カードの質も高いデッキと言えます。よって鉄獣は量も質も高いレベルのデッキなので中速デッキです。

次に相剣ですが、確かに鉄獣程では無いものの特殊召喚効果を持ったモンスターを多く採用しており展開力はあります。一方でやはりこちらも自由枠が広く、1枚で強力なカードを多く積む事ができます。よって相剣も量も質も高いレベルのデッキなので中速デッキです。

また、この記事のサムネの画像をもう一度見て下さい。

これどちらもあるになっててあるなしクイズになって無いやん!と思うかもしれません。しかしよく見ると左半分は中速デッキ、右半分は展開デッキになっている事が分かります。6つのデッキは全てアクセスコードトーカーを出せる展開力を有していますが、展開力のみを見て中速か展開系かを判断する事はできない訳です。

同じデッキでも採用カードでレンジが変わる

良い例が相剣です。
相剣は自由枠が広いデッキですが、敢えてこのデッキの自由枠を数枠潰して天威を入れてみましょう。天威は単体でのカードパワーは大した事ないですが、その分盤面に物量を供給できるカードです。よって天威相剣は純相剣と比べるとレンジが前に動いたデッキと言えるでしょう。

更に基本展開にハリラドンを据え、赤霄バロネスプロートスチョウホウ九支を狙えるようにデッキを弄ってみましょう。ここまで来ると1枚1枚のカードパワーは落ち切り、展開系と言って差し支えないでしょう。
このように同じ名前のデッキでも採用カードやゲームプラン次第でレンジは動かせます。環境やそのデッキにあったゲームレンジを探ってみましょう。

レンジが分かると構築やプレイが上手くなる

例えば電脳堺や竜輝巧は展開系に分類されるデッキです。このようなデッキでは素早く量に還元できるカードとそれをサポートするカードでデッキを固めるべきで、つまり虚無空間や王宮の勅命といった1枚で強力なカードはデッキのプランに合致してないので採用する旨味が少ない事が分かります。

一方で純相剣は素早く量を展開するデッキではなく、それなりに質で勝負するデッキです。ですから後続を確保できない状態で赤霄から龍淵を持ってきて、2枚消費で1枚のシンクロを出す事は基本的に悪手である事が多いです。龍淵をプレイしてしまうと後続を確保できない場合、1枚でシンクロを供給できる下級相剣やそれをサーチする剣現を赤霄でサーチする事で質で勝負する事が出来ます。

最後に

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