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なぜ動画編集者は挫折するのか?

コロナ禍により様々な影響を受ける日本。
これまでは仕事といえば家から会社への通勤が当たり前であった。しかしコロナ禍の大きな影響により数年前より働き方が変わりつつある。以前ではなかったリモートワークも世に浸透し、パソコンを使った副業がここ最近ちょっとしたブームになっている。

YouTuber、プログラミング、ブログ、Webライターなどネットビジネスと呼ばれるものには様々な種類がある。その中でも『動画編集』はネットビジネスの中でも稼ぎやすいと言われている副業の筆頭。

『今後、動画編集市場は間違いなく伸びる』
『動画編集は0→1が達成しやすく簡単に稼げる』

活躍しているビジネスインフルエンサーが動画編集の稼ぎやすさを発信していることもあり、参入者が激増している。最近では参入者の増加に合わせ動画編集スクールも乱立し、どこのスクールに入ればいいのかと迷ってしまうほどである。


その後、参入してきた動画編集初心者のTwitterアカウント開設がセオリーとなっている。主な目的は情報収集、案件の獲得、編集仲間がほしいといったところだろう。

『動画編集始めました!みなさん仲良くしてください! #動画編集者と繋がりたい
『フリーサンスで独立が目標です!初心者ですがよろしくお願いします! #動画編集者と繋がりたい

見慣れないアイコンがタイムラインに現れる。そう、いつものことだ。
『また新入りがきたか…』結末はすでに予想ができる。


動画編集、Twitterアカウントの運用を始めて1年以上経過する自分だが上記のようなツイートを見ない日はない。それだけ参入者が増えているということがわかる。ここ最近の動画編集者の増加ぶりは異常なくらいだ。

『動画編集って大変ですが面白いですね!』
『テレビのテロップ見てるだけで勉強になる!』

動画編集を始めた頃は全てが新鮮であろう。タイムラインに流れてくるツイートにもそれが窺える。しかしそんなアカウントも3ヶ月後はどうだろうか。

もう予想がつくだろう。やはり消えている。


ツイートをしなくなったから理由として
『動画編集での仕事で忙しくなったから』というパターンももちろんあるだろう。だがこのケースは非常に稀だと思う。Twitterから消えた動画編集者の大半は『嫌になり挫折した』という悲しいケース。

前置きが長くなったが今回は

動画編集を諦めてしまう理由
挫折しないための対策

について書いていこうと思う。
『自分は大丈夫!』そんな人ほど危険なのだ。動画編集歴が長くなったベテラン勢はもちろん、始めたばかりの初心者にぜひ読んでほしい。

動画編集を諦めてしまう理由

・他人と比べてしまう

『今月は○○万円の大台を初めて超えました!』
『3ヶ月前は全然仕事がなかったのに最近は仕事の依頼が止まらない!』
『映像制作会社と繋がりが持てました!』

Twitterの閲覧は大いに結構。ただメンタルが弱い人間は気を付けた方がいい。特に月末。毎月31日になると今月いくら稼げたかという収益発表会が開催されている。今でこそ見たところで何も思わないが初心者の頃はあまり気分のいいものではなかった。

(同期のあの人がもうそんなに…)
(周りは稼げているのに自分は…)

他人と比べ自分の能力の低さを恨んだもの。ありきたりなことを言うが比べるのは他人ではなく過去の自分と比べるのがいい。
同じ動画編集という舞台で戦っているがそれぞれの背景があまりに違いすぎる。

・副業なのか専業なのか
・実家なのか一人暮らしなのか
・独身なのか結婚しているのか
・子供はいるのか子供はいないのか
・本業の残業はあるのか残業はないのか

まだまだ違うパターンもあるだろう。
稼働時間が違うので成長速度にも差が出るのは当然のこと。落ち込んだところで仕事が舞い込んできたり収益が発生するわけではないのだ。落ち込むのもいいが短時間で立ち直ること。

・案件が取れない

初心者に訪れる0→1の最初の壁。
この工程に時間がかかってしまうと案件を取る前に力尽きてしまう。

・ポートフォリオがない
・どこに営業すればいいのかわからない
・営業文の書き方がわからない
・Twitterのテスト案件が通らない
・クラウドソーシングの倍率が高すぎる

案件が取れない主な原因として上記などのことがあげられる。
すでに手元に案件がある状態なら編集作業にひたすらコミットし、クライアントに貢献すればいい。しかしいつ案件が取れるかどうか不明、自分のしていることが正しいかどうかわからないという状況では出口が見えないトンネルを進むようなもの。引き返したくなる気持ちも十分わかる。

だがやめるのはもう少し待ってほしい。
動画編集も立派なビジネス。1つのビジネスが軌道に乗るのに数ヶ月程度で判断するにはあまりにも早すぎる。動画編集を専業でするなら生活のために急いだ方がいい。ただ副業勢に関しては時間確保も難しく軌道に乗るまで1年程度は様子を見たい。その間にしっかりと基礎固めをするのだ。

・案件取れるも低単価

自分の経験談を語ろう。
以前のnoteでも軽く触れたが初めての動画編集案件はYouTube動画のフル編集。報酬は2000円。あるYouTuberに直営業して獲得した案件だった。

初案件ということで単価は気にせずひたすらパソコンに向かう日々。
慣れない編集作業で結局約3日間(10時間ほど)ほどの時間を費やし、無事納品となった。

自分の力で稼げたことが誇らしく、動画編集を始めてよかったと思えた瞬間である。

しかしその後
『10時間で2000円なら時給200円か…』
時給計算をするようになり、徐々に気持ちが離れてしまうことに。
数本の編集をさせていただいた後に本当に申し訳ないながら丁重にお断りをすることとなった。

お金が全てだとは言わないがモチベーション維持のために、やはりお金も大事である。

今回のケースでは動画編集を始めたばかりだったので単価は一切気にせず、経験を優先し受注することになった。
これから動画編集で仕事をしたいと考えている人に伝えたいが受注する金額の最低ラインはしっかりと決めておくこと。その時はよくても続けるうちに辛くなる時が来る。初心者だから低単価で受けなければならない決まりもない。『報酬がこの金額より下回るなら受けない』と自分の中で決めるのもいい。安請け合いはオススメしない。お金をいただく以上、すでにプロなのだ。少しばかり強気な姿勢も必要だと思う。

・家族に反対される

『動画編集?そんなの本当に稼げるの?』
『アルバイトをしてる方が絶対稼げるよ』
『そんな頑張っても時間の無駄だって』

家族持ち編集者にとって家族は毒にも薬にもなり得る。
何も言わず静かに応援してくれる家族もいればパソコンに向かうことに対してあまりいい顔をしない家族もいるだろう。

本音を言えば『家族の反対なんて無視してやればいい』と言いたいところだが一つ屋根の下で住む家族。できるだけ家族関係を良好に保ちたい。
あくまで予想だが家族が反対する理由として『現状が変わってしまう不安』ではないだろうか。いつものように本業だけしていればいいものをリスクを背負って挑戦しようとする姿に不安を覚えるのだと思う。

その不安を少しでも取り除く方法として

・今どんなことをしているか詳しく説明する
・実際編集した動画を見せる
・稼いだお金を家族に渡す

家族に何も言わせたくないのであればとにかく結果を出し、不安を払拭するしかない。たくさん稼ぎ、家族に還元すればきっと見方も変わるはず。

家族との向き合い方については前回のnoteに詳しくまとめてあるので読んでいない人は読んでほしい。


さて、ここまで動画編集を諦めてしまう理由について簡単にまとめさせてもらった。諦めてしまう理由を理解した上で、次の項目では動画編集を挫折しないための対策について自分なりに記載しようと思う。

動画編集を挫折しないための対策

・習慣化する

習慣化とは『意識せずとも行動している』状態である。

自分の場合『今日は疲れてるけどやるかなぁ…どうしようかなぁ…』というやるかやらないか、の選択をするまでもない。家族就寝後、家事が終わればパソコンを開いて取り組むことが自分の中で決まっている。

パソコンに向かうことが『風呂に入る』『歯磨きをする』という感覚であり、やらないとどこか落ち着かない。動画編集という副業を始めて1年3ヶ月になるが1日パソコンに触らなかった日はおそらく1週間程度ではないだろうか。本業で帰宅時間がかなり遅くなった、病気でパソコンを触れる状態でない、という状況ではない限りほぼ毎日何かしら取り組んでいる。

『毎日ほんの少しでもいいからパソコンに触る』
個人的にはこれが習慣化するために必要なことではないかと思う。毎日例え10分でもいいから副業に取り組むためパソコンを開く。
『今日はしんどいから30分だけ…』と思いつつ、始めてみると気づけば2時間経っていたなんてこともよくある。

自分がやっていて思うのはパソコンを開いて始めるまでが最もパワーを必要とする。パソコンさえ開いてしまえばあとは早いもの。
まずは1ヶ月、短時間でもいいので毎日パソコンに触るということを続けてほしい。そして習慣化を目指す。

・なぜ動画編集をするのか、を明確にする

動画編集を始めた理由を改めて思い出してほしい。

・月5万円で家計を少しでも楽にしたい
・お金のことで子供に不自由させたくない
・面倒な人間関係から解放されたい
・ブラック企業から抜け出すため
・個人で稼ぐ力がほしい

動画編集を始めた理由はそれぞれ違うだろうが自分の場合は上記の理由。副業歴が長くなってくると目の前のやるべきことばかりに目がいき、なぜ始めたのか、を忘れてしまいがちである。

特に副業で始めた人は本業での収入があり『そこまで頑張らなくても生活はできるしいいか…』と油断してしまうことも多いはず。その後『忙しいから』などテキトーな理由で正当化し、フェードアウトしてしまうパターンが多い。

定期的に『自分はなぜ動画編集という副業を始めたのか』をいう自問をしてほしい。始めた頃の熱い気持ちが蘇ってくる。

・1円でもいいからさっさと稼ぐ

『会社に頼らず自分の力で1円を稼ぐ』
このすごさを改めて説きたい。世の中の90%の労働者は雇用形態である。もちろん働いている時点で立派なことではあるが90%の人は他人のビジネスに乗っかっているにすぎず、自分の力だけで稼いだことがある人はほとんどいないだろう。

まずは1円でもいいから自分の力で稼いでほしい。1円ならば大したことがないように思うかもしれないが金額の問題ではない。自分の力で稼ぐことは金額以上の価値がある。そして何より自信になる。

自信がつけば営業の幅を広げられ、選べる案件も増える。まずは難易度が低い案件に標準を合わせトライ。早めに0→ 1を経験する。
その後、自分の希望に合った案件に絞ることで低単価問題から脱却できることだろう。

・Twitterで発信し仲間を作る

個人的にこれが一番オススメ。
Twitter発信は確かに時間と労力が必要であるが、その両者を差し出す価値は十分ある。現在Twitterのフォロワー数は4000人強。動画編集界の中ではそれなりに多い部類であり、仲間を増やすメリットも十分享受している。

仲間を作るメリットとして

・モチベーション維持に繋がる
・案件を任せてもらえることがある
・わからないことでも親身に教えてくれる
・情報共有ができる

などプラスになることが多くある。
ただデメリットとしてTwitterはかなりの時間を奪われることを理解しておくこと。仲間作りももちろんいいと思うがスマホを触る時間はほどほどにした方がいい。

・嫌なら思い切って動画編集をやめる

最後は他とは少し違うことを。
今、動画編集は楽しくできているだろうか。もし辛いと感じたり、合わないんじゃないかと思ってしまったら無理に続ける必要はない。


パソコン1つでできるネットビジネスは他にもある。
多くの人がやりたいと頭で思うだけで実際行動なんてしない。そんな中、実際に行動を起こし動画編集という業界に飛び込んできた熱意さえあれば他のビジネスでも十分当てられる可能性は秘めているはず。

挫折、というとあまりいい響きではない。
しかし早めに見切りをつけ、ビジネスを変えるというのも立派な戦略。
やめたところでこれまで積み上げてきた知識、経験がゼロになるわけではない。もしまた動画編集を始めようと思った時には知識を持った状態でスタートができるのだ。

とは言いつつ、動画編集の可能性は今後も広がると至るところで言われている。できることなら動画編集を続けてほしい。

まとめ

今回は『なぜ動画編集者は挫折するのか』というテーマについてまとめさせてもらった。このテーマを選んだ理由は『挫折者を減らしたい』という願いから。綺麗事に聞こえるかもしれないが本当に感じている。

数あるネットビジネスの中から動画編集を選び、戦おうとするいわば同志。始めるにあたりパソコン、編集ソフト、教材など様々なものに投資してきただろう。世の中ほとんどの人が行動できない中、実際に行動に移し努力できる人は全員成功してほしいと思っている。

ただ行動に移すだけでは足りていない。あと必要なのは周りを気にせず継続する力。それがあれば少しずつ結果は出る。
動画編集というビジネスを選択している時点で先見の明はあるのだ。すぐに結果は出ずとも自信を持って共に続けてほしい。

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