薬学実習でおすすめしたいこと

こんにちは。なんやかんやあって薬学部6年生になってしまった人間です。

今年2021年度の5年生は先輩から実習について聞かれへんのじゃないか?という妄想をきっかけに書いてみたnoteです。

「いや別にウチは研究室の先輩から聞けたで!」という方もいらっしゃるでしょうが自分はおそらく2020年度の実習生の中で一番実習施設が多いのでたぶん少しは参考になるかと思います。なってくれ。

事前に用意したもの
・学校で言われた準備物
・iPad
・ヤクチエ
・勉強になる本

それぞれ説明していきます。

<学校で言われた準備物>

省略。

<iPad>

間違いなく自分の中でMVPです。
実習ってすごく疲れるんですよね。自分の場合はだいたい平日の朝8,9時~夕方5時まで。施設によってまちまちやったんですけどおそらくこれは誰でも同じやろうと思います。

朝早くに起きて、電車乗って、バスに乗り換えて病院について、そこでみっちり調剤&病棟業務&見学&勉強会が入った後に夕方の4時に日誌を書いて、バス乗って、電車乗って、家に帰る。疲れる。

そんな疲れてるときに日誌書くにしても
・施設のPCを使わせてもらってる
・書くのが遅いと電車とかバスを逃してしまう
・家に帰ったらやる気が無くなる
こんなん嫌やん...。しかも施設のPCは実習生を考慮してない可能性が高いから日誌を書きたいのに薬剤師の先生らがPC全部使ってるところを「あの....日誌書きたいので使わせてもらってもいいですか...?」って言うだけでさらに疲れてしまう。そこでiPadを使ってみました。

iPadを使うメリットしては
・いつでもどこでも日誌を書ける
・気になることがあったらすぐに検索できる
・計算するときにメモになる
・写真を撮って資料にできる
・実習が終わったらTwitterとゲームができる

iPadを使うデメリットは
・高価格
・狭い施設だと置くところに困る
・Wi-Fiがないとスマホでインターネット共有する必要がある

こんなんですね。まだiPadを使ってなかった時、1回だけ日誌を来週の月曜に後回しにしたんですけど月曜の朝に大学の先生から「先週の書けてないんですがどうしました?」とメールが来ました。怖すぎた。

計算するときのメモってのはapple pencilがあったからなんですけど散剤、水剤の計算って簡単にできるように濃度は設計されてるし薬局も病院もメモが置いてあることが多いのであったらうれしい程度のものです。

写真は発表用ですね。スマホでもできるのでこれもあったらうれしい程度です。

iPadにもいろいろとモデルはありますが鞄に収まるサイズに気を付けよう。

ちなみに自分はiPad(第7世代)とapple pencil(第1世代)です。安かったから....。

<ヤクチエ>

さっきのiPadと関連しているんですがヤクチエとはリクルートが提供している添付文書のアプリです。薬局でバイトしてた時に紹介されてたのでスマホ版は入れていたんですが2020年11月17日からiPad版に対応されました。

添付文書はもちろん薬剤部、薬局にもあるんですが採用してないって場合や家でも調べてみようと思ったけど添付文書を失くしたりもらい忘れたり。そうじゃなくてもデジタルとアナログ両方にメリットはあるのでインストールしておいて後悔はしてないです。

ヤクチエでありがたかったのが
・添付文書PDFを見れる
・添付文書の閲覧履歴からもう1回見れる
・刻印や印字から薬を検索できる
・先発品と後発品を比較できる
という機能。

特にPDFを見るのは毎日少なくとも5品目は見てました。薬局実習の際、現場に即した服薬指導をしようとのことで準備時間が10秒もない日がほとんど毎日続きました。棚から薬探して添付文書取り出して読むのに比べたらヤクチエの検索欄に薬の名前入力して調べたほうが圧倒的に早い。

先発品と後発品の比較も面白かったですね。
googleでいちいち先発ってつけるのはめんどくさいしね。

画像1

ちなみに実習してて印象的だったのがリンデロン®です。リンデロン®って剤形もバリエーションもいっぱい種類あるんですよ。しかもよく処方される。

画像2

リンデロン®VGのVは吉草酸エステルValerateの頭文字から、GはゲンタマイシンGentamicinから取られています。Aはわかんなかったです。

<勉強になる本>

ぶっちゃけなんでもいいんですよ。日誌をササっと書けた日とか患者さんが全然来ない日とかありましたよ。特に大型連休があると薬が大型連休中に切れないようにいつもより処方日数を5日単位もしくは7日単位でいつもより長めに処方されることがよくあるんですよ。そうなると大型連休明けが暇になる。そんなときにiPadで調べものしてても飽きるんですね。そこで学校で買った本とか薬局や病院に置いてある本を読むと新しい発見になると思います。

といっても適当に読めといっても残酷なので何冊か紹介しようと思います。


『医師のために論じた判断できない抗菌薬のいろは 第3版』(Alan R. Hauser 著、岩田健太郎 監訳)

この本は大きく5つのパートに分けられます。パート1は菌の構造・タンパク質合成・複製・抗菌薬感受性の測定、パート2はβラクタム系やアミノグルコシド系など機序ごとに分類された抗菌薬の解説がされています。パート3は原因菌がわかっているときの治療法(原因限定治療)について、パート4は原因菌がわからない時の治療法(エンピリック/経験的治療法)について、パート5は症例問題について書かれています。

抗菌薬や感染症についてはさすがにいままで授業を受けたことがあると思いますが授業時間の関係であまり深く勉強できなかったり学校で買った参考書が難しくてわからない人は少なからずいると思います。

この本は化学構造や図、表を多く使っておりなおかつ重要なことをわかりやすく書いてあるのでサクサク読めました。

薬の作用を「この薬はそういうもの」だと覚えると脳の容量がいっぱいになってしまうのでこういった図解はちょうどいいんじゃないでしょうか。


『病院の言葉を分かりやすく―工夫の提案』(国立国語研究所「病院の言葉」委員会 著)

データは若干古いですがためになる本ですね。服薬指導をする実習なら一番最初に読んでほしい本です(実習生ができる服薬指導はどうせDo処方やろけど)。これをぺらぺら読んだ人は最初に「なるほど、勉強になるな」と思う人と「え!患者さんにそこから説明するの!?」と思う人に分かれるんじゃないでしょうか。自分は後者でした。患者さんをバカにしてはいけないけど患者さんがすぐに理解できるように気をつけなきゃいけないなと気づかされた本でした。


『薬局 2017年04月号 特集 認知症対応力のエッセンス』(南山堂)

これは2017年4月号が特別にいいというよりもこの号から始まったヤンデル先生の連載コラムが好きだから紹介しています。さきほど紹介した『病院の言葉を分かりやすく―工夫の提案』に通じるところがあるのですが、医療従事者が普段当たり前に使っている言葉を患者さんがどう思っているのかについてコミカルに紹介されています。自分は免疫力と病名の回が印象的です。

<実習の心構え>

自分は運がよかったので薬局実習や病院実習で怒られることはありませんでした。実習生はCBTとOSCYに受かったといえども現役の薬剤師からすると可愛い存在です。しかし可愛くても失礼だったり考えが浅薄だと生意気に思われてしまいます。そこで自分が普段から気を付けていたことがあります。

・判断に困る事があったときは自分なりに理由を見つけて薬剤師の先生に質問する
・ドクターや看護師、薬剤師の先生だけでなく事務さんにも礼儀正しくする
・できることは積極的に可能な限りする
・注意されたらまず謝る
・愛嬌良くふるまう

そこまで変なことはないと思います。納得のいかない注意をされたときはまず謝って理由を聞き、もう一回考え直してから質問するといいと思います。
出来ることを積極的にというのは、実習をしていると現場では薬剤師とそうじゃない職種の方とで役割を分けていることがよくあるんですね。そこで「これは薬剤師の仕事じゃないからやってもらおう」と行動するのは実習として健全じゃないかなと思います。

終わりに

長々と書いてしまいましたが無理のない範囲で実習やろうねってことです。iPadも本も「これあったらべんりだよ~」という提案程度のもので「へ~そんなのがあるんだ」と思ってもらえたら嬉しいです。

でも実習後のお礼はすぐしろ。

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