「くるくるひろば」とはなにか

Buy Nothing Project にいみ は
尊敬する人たちの活動を参考に
「くるくるひろば」を開催している。
目的は「モノをきっかけに人と人が出会う場所作り」。
これまでに岡山県新見市で4回実施した。

案内チラシには開催日時と場所の他に
このように記載している。
「自分の家では出番がないけれど、捨てるにはもったいない。
 そんなモノが思い当たりませんか。
 みんなで持ち寄って並べたら掘り出し物もあるかも?!
 使いたいモノが見つかったら持ち帰ります。」
「 参加方法は2通り。どちらも参加費無料です。
   A:手ぶらで参加。
   B:誰かに使ってもらえそうなモノを持って参加。(要受付)」

こんな訳のわからないものにいったい誰が参加するのか。
誰得?
と思っただろうか。
正直な話私もどうなることやら検討がつかなかった。
結果として延べ200人以上の参加があった。
やっていることは実際のところそんなに複雑ではない。
Aの手ぶらで参加する人たちは
持ち寄られた品物の中に自分が使いたいものが見つかれば
それを持って帰る。
Bの出品者は自分の家では出番がない死蔵品を
次の家が見つかるようお披露目する。
ついでに、他の出品者の品物で使いたいものが見つかればそれを持ち帰る。
お金を介在させないフリーマーケットと言ったら、
いくらか会場の様子が伝わるかもしれない。
ただし、「物々交換」でもないし「等価交換」でもない。
なので厳密にはフリーマーケットという例も当てはまらない。
お金のやりとりがないので出品者はずっとそこにいる必要もない。
私は会場と日時を決め、あちこちに案内チラシを配布したり
告知を依頼したりする。
そして当日は私も出品するし持ち帰りもする。
会場内には運営理念を掲示する。
例えば「持ち帰る品物の品質や安全性の判断は自己責任です」
「出品者は貰い手のつかなかったものを必ず持ち帰ってください」
「モノをきっかけに人と人が出会う場を作りたくて開催しています」
といったことである。
モノもたくさん動くし、
なにより参加者の口が動く。
初めて会う人、待ち合わせして会う人、偶然再会した人など、
いろいろな人同士で会話が始まる。
ゆっくり楽しんでもらうために椅子やテーブルも用意している。
おしゃべりだけして帰る人もいる。
私に会いに来たと言って差し入れを持参してくれた人がいる。
全くのボランティアで運営の手伝いを買って出てくれる人がいる。

こんなものはままごとだと思う人もいるだろう。
お金を回さないなんて非生産的時間だという意見もあるだろう。
私は「社会的実験」としてこの活動をしている。
外国や東京では無償での贈与が頻繁に起こっている。
民族、宗教、地域、そして経済的余裕の有無による
差はないとも言われている。
人口3万人以下の山間地でも
きっと実現するだろうと仮定して実施している。
実際にモノが動き、人と人が出会い会話をしている。
これまでの生活では会わないような人と縁ができ、
新しい交流が生まれている。
素直に「有難い」と思うことがたくさん起こっている。
人が人を想うのは「当たり前」ではない。
損得を考えるものさしは存在せず、私はただ嬉しいからしている。
やりたいからしている。

参考にしている人や活動は以下の通り。
①伊藤万季さん
2009年に東京都世田谷区の自宅ガレージで
「不用品活用会(のちのくるくるひろば)」を始めた。
くるくるひろばの考案者。
彼女のブログを一番古い投稿から読んでいき
とても感銘を受けた。
勇気付けられ、私のもやもやとしていた構想に輪郭ができた。

②鶴見済さん
「完全自殺マニュアル」の著者。
2012年より国立駅前の通りで「0円ショップ」を開催している。
全ての品物が0円だと
金銭のやり取りに代わって会話が生まれるということを教えてくれた。
「出品者は貰い手のつかなかったものを全て持ち帰る」
という指針はここから継いでいる。
路上パフォーマンスではなく
路上アクションとして実施している
」という姿勢にも
学ぶ点があった。
2019年東京新聞WEB の記事も感銘を受けた。

③リーズル・クラーク&レベッカ・ロックフェラー
元祖Buy Nothing Project 創造者たち。
彼女たちの本
ギフトエコノミー 買わない暮らしのつくり方
に出会わなかったら
・ギフトに間違いはない
・やりたいときにやりたいことをする
・自分で決めるetc…
という基本がわからずに立ち止まってしまっていたかもしれない。


興味を持っていただきありがとうございます。励みになります。「分かち合い」によって解ける問題があると考えBuy Nothing Project にいみを立ち上げました。ご意見ご感想もぜひお寄せください。