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RTAとは何だと思いますかという話

こんにちは、バターロールと申します。対戦よろしくお願いします。

これまでは百合に関する記事を書いてきましたが、今日は少し趣向を変えてみたいと思います。今日の話題はこちら!


「RTA」意味広がりすぎ問題

これを見ただけでは何のことだかわからないと思いますので、色々説明したいと思います。


「RTA」とは

RTAとは”Real Time Attack”の略称であり、”Speed Run”とも呼ばれます。細かい説明や似た概念がありますが、ここでは「クリアまでの最速を目指すやりこみ」くらいに考えてください。最近はRTA in Japanというイベントが人気であり、先日行われたRTA in Japan 2020では「ドラゴンクエスト3」でのホットプレート利用が話題になったり、「ファイナルソード」が同時接続6万人を超えたりするなど、大きな注目を集めたことは皆さんの記憶にも新しいでしょう。

このように近頃話題のRTAですが、これとは少し違うようなRTAを確認しました。それが、


○勝RTA

です。○には50~200くらいの数字が入ることが多いです。観測した範囲では、主に対戦ゲームで○勝を達成することを意味し、スマブラやポケモン、#コンパスといったゲームの界隈で使われていることが多いです。恐らく、今までなら「n勝するまで帰れまn(n=整数)」や耐久企画と呼ばれていたものが、○勝RTAと呼ばれると考えています。


○勝RTAとはRTAなのか?

「RTAといっているんだからRTAだろ」と思われるかもしれませんが、説明させてください。なお、私はRTAを走ったことはありませんし、○勝RTA企画もやったことがありません。そのことを念頭に置いていただければと思います。私が確認した範囲では、○勝RTAは「対戦ゲームにおけるランクマッチにあたるゲームモードで、人間を相手に決められた勝利数を目指す行い」だととらえています。一方、RTAのことは「ゲームの範囲の中で最速クリアを目指す行い」だと思っています。つまり、私が言いたいことは、「対戦相手が人間であるゲームモードでRTAは成立するのか」ということです。

もちろん、先に挙げたポケモンやスマブラでもRTAは走られていますし、マリオカートや世界のアソビ大全など、様々な対戦ゲームのRTAがあります。しかし、ポケモンやスマブラの場合はストーリーモードのクリアまでの速さを競ったり、「ターゲットを壊せ」などのゲーム内ミニゲームだったりします。また、対戦ゲームにおいても相手はCPUであり、人間を相手にした(いわゆる)RTAやレギュレーション(ルール)を見たことがありません。

では人間相手とCPU相手の何が違うのか、何が問題なのかと聞かれれば、それは公平性の問題だと思います。CPUを相手にするRTAの場合、相手キャラクターの強さや思考のレベルはゲームやモード、難易度によって定められており、同じ条件であるといえます。もちろん相手キャラクターの行動はランダムであり、プレイヤーにとって良い行動や悪い行動はありますが、それは公平性を破壊するものではないと思います。

しかし対戦相手が人間の場合、同じ条件とはいえなくなります。当たり前の話ですが人には個人差があり、同じゲームをしていても異なる考えを持っています。また、対人ゲームの場合は強さも一定ではありません。これはプレイヤースキルなどの問題ではなく、使用キャラクターや構成の違いであり、マッチングする相手によって様々です。

つまり、対戦ゲームの○勝RTAは行う人によって毎回相手キャラクターの強さや思考レベルがランダムに変わるレギュレーションであり、RTAとして競争が成立しないのではないかと考えます。これは短距離走の選手が毎回違う距離で走り、その違いを無視したままタイムを比べるようなものです。


反対意見

自分で書いていて予想される反対意見が思い浮かびました。それは、CPUも結局乱数で挙動が変わるため、対人ゲームのランダム性と変わらないのだから、その点ではRTAも○勝RTAも同じではないかという意見と、そもそも○勝RTAは速さを競っておらず、RTAの言葉にも深い意味はないのではないかという意見です。前者に関しては自分でも明確な答えが出せず、砂山のパラドックスに陥るのではないかと考えています。後者に関しては完全に納得してしまいました。自分がみた○勝RTAは耐久企画の面が強く、他の人のタイムと競うことを前面には押し出していなかったように感じます。つまり、○勝RTAのRTAには競争の意味はあまり含まれていないのではないかという結論に落ち着きました。


まとめ

このように、○勝RTAのRTAにはあまり競争の意味は込められておらず、むしろ耐久を意味しているという結論にいたりました。この背景には、「ギガ」という言葉が一般的になり、モバイルデータ通信量の上限を表すようになったことと同様に、RTAという言葉がある程度一般化したと考えられるのではないでしょうか。というか、「ギガ」の問題とほとんど同じような気がしてきました。じゃあこの文章を書いた意味とは……?

それと、ここまで書いておいてなんですが、「○勝RTAという使い方はやめろ」や、「RTAとはこうあるべき」といった思いは一切ありませんし、馬鹿にするつもりもありません。「こんな使われ方があるんだな」と読んでいただければと思います。また、明らかに間違っている記述があれば連絡してください。訂正いたします。

それではまた。対戦ありがとうございました。

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