私が、小学生の時に泳げるようになったのは、自由泳ぎの時間だった。

自分のペースでおっかなびっくり泳ぐうち、息継ぎができ、平泳ぎができるようになった。

同じように、子どもの学力が伸びるのは先生の話を聞いている時ではなく、

むしろ、自分で勉強している時のことが多い。

話が上手で面白い先生の授業なのに、意外と子どもの学力が伸びないことがある。

それは自分で悩んだり、考えたりしてないから。

パソコンや、タブレットが普及し、単純な知識の伝達は、もはや教師の仕事ではなくなりつつある。

そう、教師はもう教えなくていい。
 

子どもは、どの子も、もともと学びたい欲求を持っている。

だから、その純粋な欲求を伸ばしてあげれば良い。

子どもは生きていく上で必要なことを自ら選び、学んでいく力を持っている。

あとは子どもを、信頼して任せておくだけ。

国は子どもが一人で学べる環境を整備し、親は子どもが学びに向かう時、妨げとなる要素を取り除き、教師は子どもが楽しく学びに向かえるように心を整えて、背中をそっと押してあげれば良い。

子どもは自分に必要のないことは直感的に分かっていて興味を示さない。

その子が生きる上で必要のないことまで無理やり覚えさせようとするから、学ぼうとする気持ちがしぼんでしまい、楽しいはずの学校に行きたくなくなってしまう。

例えば、因数分解の方法なんて、大人になったら、いったい何パーセントの人が使うのか?

そんな役に立たないものが分からないからといって、劣等感を持つなんて馬鹿げている。
 

人生の目的は、就職してたくさんのお金を稼ぐことじゃない。
 

幸せになることだ。
 

だから、学ぶ必要のあることとは、一人ひとりが幸せになるために必要なこと。

幸せになる道は一人ひとり違うから、小さいうちから、自分が好きなこと、得意なことを手がかりに自分の道をゆっくり探す。

そして迷ったり、分からなくなったら、いつでも教師のところに話をしに行けばいい。
 

時化にあった船が、港にもどるように。
 

教師の仕事は、もう教えることじゃない。