ファミリーマートの澤井さん

いつも、朝、ファミリーマートで職場で飲むお茶を買います。

私にお茶を売ってくれるのは大抵、澤井さん。

60歳くらいの女性。

澤井さんはおにぎりを並べたり、ひっきりなしに来るお客さんの応対をしたり、いつも忙しく働いておられます。


そんな澤井さんと一度だけ少しお話をしたことがあります。

「毎日夜11時に店に入って、朝の8時半まで働いてんねん。だから、もうすぐ仕事終わりやねん」ニコニコしながら澤井さんが言いました。

「仕事終わったら家に帰って、それからスーパーに行くねん。それが一番の楽しみ」


「・・・・」


それを聞いて私はハッとしました。


無欲恬淡(むよくてんたん)とは澤井さんのような人のことだと思いました。
 

それから、自分が恥ずかしくなりました。

自分を不幸にしているのは、やはり自分の欲なのだと気づかされたのです。


 


「ありがとう 行ってらっしゃい」

お茶とレシートを渡してくれながら澤井さんが言ってくれました。
 

私は、その時、毎朝すごい人からお茶を買っていたことに気がつきました。