包丁いっぽん さらしに巻いて〜 法善寺
「月の法善寺横丁」という歌で、年配の大阪人に有名な法善寺にお参りに行きました。
織田作之助の短編小説『夫婦善哉』の舞台にもなったお寺で、大阪ミナミの繁華街にあり、たくさんの飲食店が軒を連ねる路地の先に、ひっそりと建っています。
水をかけると願いが叶うと言われる水掛不動で有名で、ひっきりなしにお参りの方が来られていました。
一年中お水をかけられてるので、このお不動様は、全身、分厚いふかふかの苔で覆われています。
不動明王の脇侍のこんがら童子も、せいたか童子も、頭の苔がちょっと禿げてるのは、みすぼらしいからって、昨年あるおっちゃんが苔を剥がしたからです。でも、お寺さんは、犯人のおっちゃんを訴えませんでした。
境内には、猫さんが何匹かいました。
お姉さんがチュールをあげていました。
年配のご夫婦も、エサをやりに来られてましたし、お寺の向かいの日本料理屋の方は、海老を食べさせていました。
どの猫さんもまるまる太っていました。
路地と路地を結ぶ道の途中にあるお寺ですので、一晩中お参りすることができます。
繁華街のど真ん中にあるお寺です。
今まで、幾百人幾千人の、いろんな境遇の人が、すがる思いで、このお不動さんに祈ったんだろうなぁと、次第に明るさを増す提灯を見ながら思いました。