獅子窟寺 国宝薬師如来坐像
大阪府交野市にある真言宗のお寺です。
水道局の貯水タンクの横に、お寺の登り口があり、拝観者用の杖が準備されています。そこからお寺までは、約20分です。
登り口のお地蔵様と石碑「獅子窟律寺」
国宝の薬師如来様は、本堂を過ぎた一番奥の、収蔵庫にいらっしゃいます。この仏様は平安初期の作で、カヤ材から彫った一木造りです。高さ92cm、薬壺を持つ左手が胸の前にあるのが珍しいのだそうです。白く見える頭部は別材で作られています。腕から膝に向けて垂れる細かくて深い衣紋が大変美しく、いつまでも見ていたくなります。
正面からだと、ややきびしい顔をされているのですが、斜めから拝観すると、途端に優しい表情になられます。まるで、はにかんで照れておられるように見え、急に親近感を感じます。拝観する角度で、印象がすごく変わる仏様は多いですが、この仏様は特にそのギャップが激しいと思います。
収蔵庫の中が暗く、少し距離がありますので、扉からの拝観の時は、単眼鏡のような物があると仏様の細かな所まで分かるかと思います。
また、御朱印は、庫裏の方で対応して頂けます。
普段は拝観には、一週間前までの予約と、拝観料(300円)が必要ですが、お正月の三が日は収蔵庫の扉が開けられていて、誰でも無料で拝観させて頂くことができます。お正月は温かいお茶や日本酒、お菓子の接待もして下さいます。
また、4月12日、8月23日(御施餓鬼)、9月23日(お彼岸)には、法要があり、短時間ですが収蔵庫の御扉が開いており、無料で拝観させて頂けます。
車で来られる時は、JR河内磐船駅周辺の有料の駐車場を利用され、そこから歩かれるのが良いかと思います。というのも、お寺の駐車場(約5台分)は、登り口からの急な坂を上がるのですが、坂道が大変急勾配で道幅も狭いので、4WD等の排気量の大きな車で、尚かつ、山道の運転に慣れておられないと、とても危険だからです。(駐車場からは約7〜8分くらいです。なお駐車場の利用はお寺にお電話して予め許可をもらってください。)
2021年4月末の大雨で、参道の一部が崩落して大変危険です。ご注意ください。
こんな勾配が続きます。
電車で来られる時は、京阪電車交野線の河内森駅が最寄り駅になります。(京阪電車私市[きさいち]駅からでもほぼ同じ距離ですが、住宅街の中の道が分かりにくいと思います)改札を出て、エスカレーターで地上に上がり、右に20メートル程行くと道が二股に分かれますので右へ、すぐにまた二股に分かれますがこれも右へ行かれて下さい。みちなりに天田の宮神社の前を通り、まっすぐ行かれると道がまた分岐し、緩やかな坂道になります。ここからの分岐は、その都度全て左へ行かれると、冒頭にある貯水タンクの横に出ます。駅から徒歩約10分です。
登り口からの坂道がきついので、脚のお悪い方や、お年寄りにはかなりしんどいと思います。気候の良い季節に、履きなれた靴で、時間に余裕を持ってお参りなさってください。
また、境内にたくさん置かれているベンチのどれかに腰掛けて汗を拭っていると、鳥の鳴き声と、時折風に揺らされた絵馬がカラカラとなる音が聞こえるとおもいます。そんな山寺の静けさを味わうのもオススメです。
頑張って上ると、寺務所の横からの眺めは格別です。
本堂の脇にはこんなお地蔵様がいます。
(獅子窟寺のシナモンくんです。とってもかわいい、みんなのアイドル。でも、噛むことがありますので、特に男の方はお気をつけください。)
奥の院です。大きな岩の下に、不動明王様がお祀りされています。
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おまけ〈交野市の名店①〉
ところで、交野市に来られた際には、是非アミエルというケーキ屋さんにお寄り下さい。正式には、「ルラシオン デュ クール アミエル(心を繋ぐ)」です。交野市にある養蜂家が作られたはちみつを使ったロールケーキと、これまた交野市の造り酒屋の大吟醸酒を使ったマドレーヌが、様々な雑誌で、紹介されています。
このお店のケーキは、こんな田舎にあるとは思えない程のレベルです。大阪駅周辺や、神戸のケーキ屋さんの味とお値段に慣れている方は、きっと驚かれると思います。
京阪電車交野線、郡津駅が最寄りです。