道成寺 安珍清姫の絵巻物

 和歌山県で常時公開されている唯一の国宝仏、千手観世音菩薩様にお会いしに伺いました。
 広い宝物殿に足を踏み入れると、二十数体の仏様が四方の壁から迫ってくる感じで圧倒されました。ガラスや柵等も無く、すぐ近くから拝観できました。おまけに、床が厚いカーペット敷になっているので、寒い季節でも足が冷えるのを気にせず、ゆっくり仏様の側にいさせて頂くことができます。御住職の温かいお心使いに感激しました。
 御本尊の千手観世音菩薩様はキリッとしたお顔で私たちを見下ろしておられました。(少しだけ、サッカーJリーグのアントラーズ、小笠原満男選手に似ておられる気がしました。)「どんな事があろうと、この仏様ならきっと助けて下さる。」ほんの少し微笑まれれておられる口もとをじっと見ていると、そう思えてくる仏様でした。
 拝観が終わると、生まれて初めて絵巻物を見せて頂きました。お坊様が巻かれた絵巻物を少し斜めになった台の右端に置き、するすると1メートル程平らな板の上に引き出し、時々左の筒に巻き取りながらお話を聞かせて下さるのです。有名な安珍清姫の物語でしたが、博物館で時々見かける絵巻物は、このように演じる為の物なのだというのがよく分かりました。
 続いて本堂の千手観世音菩薩様にお参りしてから、本堂の後の新しいお堂にもお参りしましたが、そこには五劫思惟阿弥陀如来様がいらっしゃいました。ですが、何故かとても困った様な顔をされておられました。手を合わせながら私たちもどうさせて頂けばいいのか分かりませんでした。
 門前のおみやげ屋さんには、龍に変身した清姫を閉じ込めた釣鐘に因んだ、有名な釣鐘饅頭がたくさん並んでいました。甘い物が好きなので一箱おみやげに買いました。