正法寺 岐阜大仏

 岐阜市の街中にあり、通りの向いはコメダ珈琲です。
 三階建の大仏殿は、大通りの方から見ると、意外な程こじんまりとして小さく見えます。一方、反対の入口側の方は、黄檗宗のお寺らしく、中国風のちょっと変わった形をしています。

 堂内に入るとまず、仏様の大きさに驚きます。江戸時代の仏様で、まだ金箔の輝きも十分残っていて、お堂の中は荘厳な雰囲気です。でも、この大仏様は、金銅製でもコンクリート製でもありません。骨組は木材ですが、竹を編んで、その上を粘土で覆い、さらに、経文が書かれた美濃和紙を貼り、漆を塗ってから金箔を貼って造られています。(その作り方から、籠大仏と呼ばれています。)いわゆる乾漆仏です。
 
 乾漆像としては日本最大で、お寺では日本三大仏の一つと説明されていました。
 (東大寺の大仏さんよりは約1.5メートル小さいですが、鎌倉の大仏さんより約2メートル大きいそうです。)

 大変、前屈みの姿勢をとられているので、真正面から拝観すると、にこやかに微笑まれている仏様と視線が合います。さらに、光背は仏様に覆い被さるような感じなので、文字通り包みこんで頂いている気持ちになります。

 こんな穏やかな表情で下を見て下さっている大仏さんは、他に無いと思います。
 さらに、耳たぶがたいへん大きく、顎の先より下になっているのが特徴的です。
 そして、長い中指と親指でOKサインの様な印を結んでおられるのですが、それがお優しい表情と、とても合っている気がします。

 竹を編んで造られているので、よく見ると細かな凸凹があり、きちんと整っていなかったりしますが、そのせいで却って親しみが湧き、私の街の仏様と云う感じがします。
 
 あまり知られていないのが不思議なくらい、素晴らしい仏様だと思いました。
 帰り際、岐阜市にお住まいの方が少し羨ましくなりました。
 
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 拝観料は200円です。仏様のお写真も撮らせて頂けます。

 ところで、天井の方を見上げると、大仏殿の壁に沿って珍しい回廊があることが分かります。一般には立入禁止ですが、なんと、その回廊を登って行く映像を、Googleのストリートビューで見ることができます。
 大仏様を膝下から見上げたり、大仏様の目の高さから見れるだけでなく、像の後に経文が書かれた和紙が貼られている様子や、光背の先端附近がほんとうに天井すれすれに造られていることも分かります。
 一度ご覧になってはと思います。