欠けたることも なしと思えば
支援学校で働いていると、いつ会ってもニコニコ笑っているお子さんがいます。
何がそんなにおかしいのか分かりませんが笑っているのです。
今のこの瞬間が楽しくて仕方ないようです。
時々くるくる回ったりしています。
そんな時、藤原道長のあの有名な和歌を思い出します。
「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思えば」
生活する上で必要なことは学ばなければならないでしょうが、その先にある幸せにもうこの子は手が届いているようなのです。
奈良の有名なお寺の御住職さんが、ある時、支援学校教員対象の講演会で話されていました。
「先生らはええ仕事ですな。毎日仏さんみたいな子たちと一緒に、仕事ができるんですからな。」
本当にその通りだと思いました。
言うまでもなく教師は教えるのか仕事です。でも、こんな子どもさんを見ていると
人生は結構単純で、幸せのために必要なことは案外少ないことに気づかされるのです。
※長い間働かせてもらった支援学校の子どもたちのことを、一度書いておきたいと思いました。