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カナカナカナ〜 ヒグラシ

山ではヒグラシが鳴いていました。

遠くから、近くから
仲間の声を追い、競い、途切れ、呼びかけ、また途切れ、時に声を重ねながら続いていました。

森のどこかで、透明な翅を持つ小さなセミが、からだを震わせ、暑い空気を震わせて、
森中に響く、この涼しげな音を奏でているはずです。

夏の日差しが緩む夕方、このヒグラシの声を聞くと、なんとも言えない気持ちになります。