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千日回峰行

ケーブルカーに乗って、比叡山延暦寺に行きました。

「福」という名前のケーブルカー

日本一長い距離を走っているそうです。
途中にいくつか駅がありました。

「ケーブル延暦寺」に着く少し前、

「駅を下りて左の鳥居の方に行くと、15分で回峰行の根本道場無動寺です」

とアナウンスがありました。

ん?・・・

以前から千日回峰行に興味があったので、本堂の方ではなく、無動寺にお参りすることにしました。

太い杉の木が生える坂道を下っていきました。

箒ではいたあと

道にはずっと箒で掃いたあとがついていました。


無動寺明王堂

無動寺につきましたが、ご回向中で、中に入ってお参りするのを少し待つことにしました。

他のお堂にお参りをしてからもう一度来てみると、お寺の方らしき女性がいらっしゃったので、
「阿闍梨様がお堂入りをされるお堂はこの近くにあるのですかとお聞きすると」

「ここです」

と、お答えになられました。

「?・・・ここ?」
そうなのか、調べないで来たけど、ここがお堂入りをするところなんだと、改めてお堂を眺めながら感激していました。
興味がある割には何も知らないのでした。

ここで、私のように千日回峰行のことを、あまりご存じでない方のために、千日回峰行について簡単に説明させていただきます。

千日回峰行は、天台宗に伝わる荒行で、7年間をかけて比叡山の山中と京都市内を1000日間、260箇所を巡拝しながら合計で38000キロを歩く修行です。

5年目が終わると「堂入り」という修行があり、9日間お堂に籠もって不動明王の御真言を唱えます。その間、飲まず食べず、眠らず、横になりません。

これを満行すると大阿闍梨と呼ばれ、生きた仏様となられます。

死を覚悟して行うことになりますので、これを満行することは、大変難しく、400年間で、50人程が成功しているだけです。

感激しているうちにご回向が終わり、
「もうすぐ大阿闍梨様が出て来られますよ」と教えてくださいました。

「え〜!」「大阿闍梨様が!」

と思っていると、辛子色の袈裟を御召になった大阿闍梨様が本当に出てこられて、「どうぞお参りください」とおっしゃられました。

ビックリです。
まさか今日お会いできるとは思いもしませんでした。

つくづく、自分の直感に従って動くことの大切さを学んだ気がしました。


山からの景色
琵琶湖の南、大津港のあたりが見えています。


山からの景色2
琵琶湖の真ん中あたり左寄りに浮かんでいるのは沖ノ島