ムハンマド・ユヌスさん

ムハンマド・ユヌスさんの本を読みました。

 ムハンマド・ユヌスさんは、🇧🇩バングラディッシュで大学の教授をしていました。


バングラディッシュは、当時、毎年のように洪水や干ばつが起き、多くの人が被害を受けていました。

国際的な援助が来るのですが、最も困っている人には援助が届いていませんでした。
 
何故なら、多くの国でもそうであるように、バングラディッシュでも金銭的な援助が末端に届くまで(政府の機関を通る間)に、殆ど消えてしまっていたからです。

また、貧しい人たちは高利貸しからお金を借り、そのお金で仕事に必要な材料を買って品物を作るのですが、できた製品を高利貸しに安く買いたたかれるという悪循環のせいで、貧困から抜け出せずにいました。

その状況を知ったムハンマド・ユヌスさんは市民を助けるために、極めて少額の資金を無担保で貸付ける「マイクロクレジット」を思いつき、自分のお金で、市民の起業を支援する銀行(グラミン銀行)を作りました。
 

お金を借りた人は、牛を飼ったり、布を仕入れたりして、起業します。

できた製品を適正な価格で売ると、

得た収入の一部を常に返却にまわし、返し終わるとまたすぐお金を借ります。

こうして少しずつ事業を拡大して行くことで、貧しい人は援助に頼ることなく貧困から徐々に脱却していくのです。
 

私は、貧しい人には寄付をして助けてあげれば良いと、単純に考えていましたが、社会の仕組みが変わらないと貧困は無くならないことが本を読んでよく分かりました。
 

ムハンマド・ユヌスさんは、将来、貧困という言葉が博物館の中だけに見られるものになって欲しいと言います。
 

先日、ユヌスさんが日本の高校生に講演している記事を見ていたら、「やりたいことをすぐやりなさい」と言われていました。
 

バングラデシュだけでなく、世界中の国で、数え切れないほど多くの人に幸せを与え、現在のそして未来の人の人生をも変えた人の言葉は、胸に響きます。私のような年のものでも何か出来そうな気がしてきます。

ムハンマド・ユヌスさんは、2006年ノーベル賞(平和賞)を受賞されています。