2011年07月23日 POST


ジオラマのような細々とした世界に目を凝らす。

ポスト。
ポストが並んでいる。
息を潜めた街。
まばらで統一性のない並びの家屋すべてに同じ真っ赤なポストが並んでいる。
脅迫するように揃えられたポストを叩きながら門の中を覗く。
家の窓に人影はない。

無造作に並んだガーデンテーブルの二席だけに今まで人が居たような形跡を見つける。

ひと気のない街。
海風が強い。
潮の甘い匂い。
髪がべたつく。
足が潮水に浸かる。
荷物が濡れる。

不釣り合いに愛想の良い船男。


ひとつひとつの夢や妄想が私の世界の大半を形作っていて、それらの全てがこんなに愛しいのに。

きっと幾らも経たないうちに忘れてしまう。

私が忘れたら消えてなくなるのに、きっと私も忘れてしまうんだなあ。

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特に何もなくても安心する誰かにぺったりと寄り添っていられるのが安穏。

もじゃもじゃが私の膝を抱くように。
安穏。

特別何もなくても。
柔らかい。
安穏。

嘘は嫌い。
unknown。

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