2008年12月13日 誰の手だったか

夜中に目が覚めたら、汗でぐっしょりだった。

このTシャツ一枚、布団一枚、暖房なし、このクソ寒い部屋でどうして寝汗をかかなきゃいけないのか。布団に少し外気を入れたら一気に汗も引いて、湿ったシャツが冷えて冷たい。どうやら全部夢だってわけじゃない。

ヘンテコな治療院に行く夢を見た。

待合室は人で溢れていて、順番が来ると医者は患者を診察台に寝かせて手を握って次々と質問をする。患者は少し虚ろな目ををしながら質問に答え、診察を終えるとにこにこしながら手を離して帰っていく。
私の番が来た。他人の手を握るのなんか嫌だなと思いながら仕方なく質問に答えていく。それに対して更に答える医者。
「今までの症状については、このまま良くなってもう再発することはないから大丈夫。新しい問題の兆候があるからそっちに注意ね」
これじゃ医者というより占い師だ。
終わりを告げられた時に、この手を離さなきゃいけないのかとがっかりした。大きくて暖かくて分厚くて、握られていることですごく安心する気持ちの良い手だった。

二度目に夜中に目が覚めたらやっぱりぐっしょり。
うんざりしながら身体を冷やし、壁を向く。

背後に誰か居るような居ないような…、朦朧とした頭で考える。

それが誰の気配だったか…。
それが誰の手だったか…。

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