「最近の音楽」比べる無意味さ

久しぶりの音楽記事です!どうも!
今日はバズってたツイットをもとに考えていきたいと思います。
今回考えていきたいのはこちら。

俺が見たときは200RPとかだったのにもう万いってるな。

これについて、考察していこうと思います。

命題はなんなのか

最初に命題を整理する必要があるなと思っています。
リプや引用RPを覗くと2つの議題が出ていました。

①「フラレてつらい」の曲が多い、「フラレてつらい」をわかりやすく伝えてる曲がある
②Aということを伝えるときに比喩や暗喩を用いて表現することが少なくなった

正直、①については今回議題に上げる必要はないでしょう。引用RPにクリープハイプの「愛の標識」を挙げている人はいたけどあれは「フラレてつらい」をあの手この手で表現しているので②の条件は満たしている、つまり①ということを言いたいだけ。
でもクリープハイプの目的としてはそれでいいんだから問題視することでもないし。

というわけで今回、このポストで考えたいのは
最近の曲は”A”という感情を歌詞にしたときに暗喩や比喩を用いないで表現していることが求められている気がする。
ということにしましょう。

最近の曲は表現がガサツ?

まず私の意見を述べさせていただくと、
そんなわけない
なんですよね。
仮想敵なんじゃない?最近の曲がうんたらって言いたいだけで、別に昔も「は?なにその表現」みたいなのはあったはずだし。

反証はいくらでもあります。
最近の曲で歌詞が技巧的なものを挙げてもいいし、
昔の曲で歌詞が技巧的じゃないものを挙げてもいい。

問題はなぜその思考に至るのか。
私はいくつか思い当たりました。

①単純に聞く回数が違うから
昭和からの名曲を10回聞いてる、令和の名曲を2回聞いてる。
その状態なら「8回分」の理解の差は確実に出るでしょう。
もしかしたら令和の名曲にも素晴らしい詩的表現があるはずなのに、その「8回分」の差で"気づけてない”だけかもしれない。
それはあるはずです。
そもそも、「昭和の名曲」と「令和の名曲」があったときに等しく「印象」を比べられるでしょうか。
本当にその曲の良さを純粋に比べるなら、どちらも初聴であるべきなんです。文化的背景や経年しても聞かれているという部分を排除しないと、「その曲そのものが名曲か」は測れないはずなんです。
これめっちゃ思ってるんですよね。昔の曲がいいというなら、今と同じステージで比べなきゃいけないはず。その上で議論すべき。
例えば「この曲は何十年経っても語り継がれている」が判断理由なら、同じく令和の今のヒット曲が何十年経っても語り継がれて”いない”ときに、ほら〜違ったじゃん〜と証明できるはずなんです。
話は戻して。
あなたは昭和の名曲と令和の名曲を同じくらい聴き込みましたか?聴き込んで、同じくらい背景を読み解いてから判断すべきです。

②聴き方の違い
極端な例ですが、平安時代。短歌を読み合って夜這いすることで女性と結びついた時代(たしかそんなんだったはず)
当たり前だけどそのときとは違うよね?そして時は進んで。
会うのも憚られた時代。文通だった時代。ポケベルだった時代。Eメールだった時代。すべて感情の伝え方は違います。
男女のあり方だってとっても変わってきたはず。
そしてヒット曲というのは面白いもんで、そのときそのときの当事者の必要性に応じるもんです。たとえ固有名詞がなくても。
当事者ってのが強いもんで。今、自分は当事者なのかってのが重要かもしれない。
「ギザギザハートの子守唄」でちょうど15だった人が「うっせえわ」で同じ感性で受け取るのは難しい。はず。

③詩的表現の方向性
ポストでは恋愛の歌詞が出てましたが、そもそも詩的表現は恋愛の歌詞のみに用いられる表現でしょうか。
否、すべてにおいて使われるはずなのが詩的表現。
じゃあ、ヒットチャートに恋愛以外の曲が上がった場合それに気づけるか。
もとのポストの引用にあったけどYOASOBIが自殺を詩的表現している曲があるけど、はたしてそれを読み解いたかどうか。
そう思うと自信なくなってくるよね。
つまりなにが言いたいかっていうと、"わかる恋愛の詩的表現のみ”で考えると確かに少なくなってるかもしれないが、じゃあ他、恋愛以外の詩的表現は読み解きましたか?もしかしたらすんごい暗喩してるかもしれないのに、切ない恋愛以外は排除してる可能性があるんでないか。そういうことを説きたいわけです。

なんかわかんなくなってきたんで次!!!!!

比べることの無意味さ

音楽を語る上で超〜〜見るのが「昔はよかった」論。
僕はそれを見るたびにツイッターとかで言うとるのですが、
そもそも比べられない
んですよね。

たとえば油絵。昭和に書かれた油絵はとても”良質”で令和に書かれた油絵は”良質じゃない”
その判断ってどうやってするんでしょう。
同じくらい難しいはず。
使える絵の具が進化したから昭和は良くない?表現の教科書が少ない昔のほうが革命的?
あなたに判断できますか?そもそも”良質”ってなにをもって?

じゃあ昭和の名曲とクラシックは比べるとクラシックのほうが”良質”?

もうわけわかんなくないですか?

その時代その時代に伝わっていくものがあって、技術があって、風土があって、そして聴く人間の性格があって…
奇跡みたいな確立で「好きな音楽」はできていくはずなんです。それらすべてを考察して絡み合って考えることはもはや不可能。

簡単に平成と令和の歌姫で考えてみましょう。
宇多田ヒカルとAdo。どちらが良質な歌姫ですか?
もちろん好みやなにかにタイアップされた、周りの人が聞いているは無しで考えて。
↑これなんで無しかわかる?
好みはさておき。音楽的な優劣って別に音量で決まるわけでもない。ドラマに採用されたかどうかなんてテレビ局の裁量でしかない。そもそもテレビとインターネットどっちが力を持つかなんてそのときどきで違うから数値化できない。年数多く活動しているほうが知名度は有利で音楽的優劣として考えにくい…

むずいよね!ね!
だからもう比べるのは無しにしようよ!っていうのが僕の主張です。
どちらかに偏った意見が出てもどちらも反証がありますもんで。

本当に必要なこと

もし本当に「最近の曲」を論じるのに、本当に必要なこと。

まず統計
ふんわりと「最近若い子が聞いてる曲って」って言い方をすると、指定しているようでしていません。バンド好きな18歳もアニソン好きな28歳もいるし。若いってどっからだし。
ちゃんと、現在のヒットチャート上位10曲、のような縛りは必要でしょう。
TikTokではやった曲?YouTubeで聞かれた曲?はたまたCDが今売れている曲?
そこの統計の出自を明確にしないと意味わからん指摘になります。

そこから属性
誰が歌っているのか、その歌の出自はどこ?アイドル?K-POP?バンド?シンガーソングライター?
これの所属だけでも傾向は変わってきます。アイドルなら誰が提供しているのかとかも関わってくるね。

上記2つを考えた上で傾向を読むことで「最近の曲」は見えてくるんじゃないかなって僕は思います。
もし、もとのポストに共感した人がいたなら思い直したほうがいい。
果たしてそれは正しいことなのか。
僕が言いたいのはそうつまり、ふんわりした指摘をふんわりしただけで若い子いじめんなよ、です。

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