ガスト

僕の地元のガストはいつも盛況していた。
市内にはサイゼリヤやココスはおろか、マクドナルドもない、そんな田舎だからただ1つあるチェーン店のガストが盛況するのは当たり前だった。

女子高生はパンケーキを食べ、主婦たちは子供を置いてきぼりにしながらお喋りをしてランチを食べている。男子高校生はハンバーグに歓声を上げていた。
食事処なのだから当たり前だし、行っていた僕もそうしていた。
そういえば、地元にガストが出来たばかりの頃は「たまの贅沢」がガストだったっけか。

僕は今東京のガストに来ている。そこで様々な発見をした。
平日のランチタイムだというのに、席は空きまくっているし、食事らしい食事をしている人も多い。
サラダだけ、ポテトだけ、ドリンクバーだけ、あげくにはビールだけの人もいた。
「食事処として十分だし、たまのご褒美なのになぜなのだろう」と勘ぐってしまう。

東京には食事をするところなんて無尽蔵にある。
逆にビールだけ、コーヒーだけを頼むと高くつくところが多いのでドリンクバーだけ、ビールだけをガストで頼むのは合理が良い。

きっと今でも地元のガストは高校生やら主婦やら家族やらで賑わっていることだろう。
僕はその賑わいを想像して少し寂しさを感じた。

選択肢が多いというのは素晴らしい。
東京での生き方を1つ知った気がした。
空いてる喫煙席は心地が良かった。

久しぶりに食べたカツ丼は単純にしょっぱかった。

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