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金持ちジュリエット

「ジュリ、もうこんなことやめないか?」
ロミオは手術台に縛られていた。

「大きなダイヤのついた指輪が欲しいの」

「この間ネックレスを買ったばかりじゃないか」

「それはそれよ。ロミオ言ってくれたじゃない『結婚したら君の欲しい物何でもあげる』って」

ジュリのおねだりは週1ペース。
これでは身体がもたない。

「もうやめてくれ、いくらなんでも限度ってものがあるだろ?」

——ガチャ。ドアが開いた。

白衣の老人が、黒スーツの男を連れ、入ってきた。

「あら先生、今日もお願いします」
ジュリは丁寧にお辞儀した。

「いえいえ、ところで今日はどうしましょう?」
そう言うと、白衣の老人は慣れた手つきでロミオに麻酔を打つ。

「そうねぇ、前回は左目だったから、腎臓にしようかしら」

「腎臓だと、このくらいの値段になります」
黒スーツの男は電卓を叩くと、ジュリに見せた。

「すごいわ!ロミオ、ありがとう、愛してる」

朦朧とする意識の中で、ジュリエットが喜んでいるのが見えた。

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