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伝説のサンドイッチ『喫茶アメリカン』(その2)~おいしいだけでは人は集まらない~
一人前で約一斤はあろうかという食パンの厚みに加えて,、ボリュームたっぷりの具材が特徴のサンドイッチを提供する『喫茶アメリカン』。従来の概念を全く覆したような立方体のサンドイッチを提供するこのお店には、500円以上の価値があるというTさん。その秘密を、情緒的価値(体験価値)という観点から語って頂きました。
500円以上の価値がそこにある
こちらの写真が、『喫茶アメリカン』が提供するツナサンドとチキンサンドです。ありえないくらいの食パンの厚みと具材です。
店内はこんな感じです。はっきり言って、モノにあふれていて、何が書いているか分からないような店内。効率化を重視されたお店とは程遠い(笑)。けれど、居心地がいいんです。愛情あふれた店主からのメッセージや、格言の数々を見ていると、なんだか自然と愛着がわいてきます。
結局、何を言いたかったかというと、「おいしいだけでは人は集まりませんよ」ということなんです。ここには、サンドイッチの価格の500円以上の価値があるということです。みなさん、情緒的価値(体験価値)って聞いたことありますか?
情緒的価値(体験価値)とは何か?~他には簡単にマネができない価値を提供できるか?
先日、Schooの授業『ラーメン二郎から学ぶ競争優位性』のなかで、名古屋商科大学ビジネススクールの牧田先生が、「機能的価値」と対比して、「情緒的価値」を説明されていました。
「機能的価値」は、サンドイッチでいうと「美味しさ」の追求です。これは同じ人間が作っている以上真似しやすい。仮に、技術革新で美味しいものを作ったとしても、また誰かが真似することができる。なので、どのお店も、美味しいサンドイッチを提供するレベルの高い戦いになってしまう。レベルの高い競争のため、投資対効果が得にくい。ならばどうするか?どのような軸の出し方をすればよいか?
そこで、「情緒的価値」が出てくる。これは、製品やサービスから顧客が感じる感情です。モノやサービスから何を顧客、消費者が感じ取るのか。これってその人によって千差万別なので、真似しにくい。真似しにくいので、一度確立できれば優位性が持続する。そのため、投資対効果が高いということになるのです。
『喫茶アメリカン』の提供価値はか?~店選びの満足感や、戦略の満足感こそが価値~
一番の情緒的価値(体験価値)は何か?いくつかありますね。まずは、ネットとかテレビで見たときに実際にこのお店に行きたいと思った。そして、営業時間が短いのにも関わらず入れた。これが、『喫茶アメリカン』か!これが、格言の数々か!感動ですね。このお店にこれてよかった。間違いなかったという。
あとは、戦略の満足感というのもありますね。食べ方の戦略です。サンドイッチが出てきたときに考えるんです。どうやって、この暑いサンドイッチを食べ進めるか。具から攻めるか、パンの耳から攻めるか、厚みをつぶしていくのか。
潰したらはみ出ちゃうんです(笑)。どれだけ、大きく口を開けても攻略が難しい。なので、美しい攻め方を考える。
料理って敵ではないので、攻める対象ではないのですが、攻略法を考える楽しさ、綺麗に食べきったときの満足感。今回の戦略があっていたという喜びですね。俺って頭いいじゃんって。これこそが、『喫茶アメリカン』が提供する500円以上の価値だと思うんですよね。
ご存じですか?このお店、女性客も多いんですよ。お持ち帰りを推奨しているので、買って近くにある歌舞伎座の歌舞伎の幕間で食べるんですよ(笑)
(出所:Rettyグルメニュース:愛が重いって最高!「喫茶アメリカン」へ一途に通い詰める女性のド偏愛)
以上
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