Transport Dronesの仕様を調べてみたら意外な事実に気が付いた

FactorioのMOD、Transport Dronesを導入すると、アイテムを輸送するトラック型のドローンが追加される。
ドローンが通るためには専用の道路を敷設する必要があるが、全てのアイテムを輸送できることを鑑みると「道路=何でも運べるベルトコンベア」とも考えられる。

基本的には青の科学サイエンスパックで解禁となるが、派生MODを使うとかなり早い段階で使い始めることができる。

基本的な使い方

赤はサプライデポ、青はリクエストデポ。この色は物流チェストと同じなのでわかりやすい。赤のデポにアイテムを入れておき、青のデポで要求する。

公式の説明画像(1)

ドローンが稼働するためには燃料が必要となる。初期状態では石油ガスが必要だがMOD設定から変更できる。Fuel(燃料)デポに燃料とドローンを入れておくと、必要に応じて燃料を運んでくれる。
Fluid(流体)デポは燃料とは関係がなく、供給する流体を貯める場所になる。赤デポの流体版だ。

公式の説明画像(2)

青デポをクリックして要求するアイテムを選択、ドローンを入れておくとアイテムを運んでくれる。青デポ1つにつきアイテムは1種類なので、複数種類のアイテムを運ぶには青デポも複数必要。
緑のバッファデポは物流チェストのバッファチェストと同じであり、要求と供給を同時にこなす。

公式の説明画像(3)

研究によりドローンのスピードやスタックサイズをアップグレードできる。スピードは無限研究となっている。

公式の説明画像(4)

ドローンの仕様を調査

ドローンの仕様についてちゃんと理解できていないので調べてみることにした。

  • 要求デポに入れるドローンを倍にすると輸送速度も倍になるのか

  • 研究でドローンの速度を上げると輸送はどれくらい速くなるのか

まず前提として、ドローンは物流ロボのようなものだと思いこんでいた。
ロボットステーションに物流ロボを10入れた場合と20入れた場合を比較すると、輸送スピードは倍になる。ドローンも同じ仕様だと思っていたら違うことに気が付いた。


検証装置

そこで簡単な検証装置を作ってみた。赤デポと青デポは下の方で繋がっておりドローンで輸送できる。
1. 青デポに石炭が運ばれてくると石炭の数が表示される
2. 石炭が1以上になるとカウンターが動作を開始
3. 石炭の数 ÷ 経過時間 = 1秒あたりの輸送個数が出る

なお、ドローンの速度やキャパシティは未研究の状態。
ドローンの数を増やすほど1秒あたりの輸送個数も増えるとの予想で検証開始。

ドローン1台は石炭50個(1スタック)を運んでおり、50台のドローンを用意すると2500個(50スタック)まで保持することがわかる。
ここで意外だったのが
1. ドローンを50台用意したが、同時に稼働するのは最高で29台
2. 1秒あたりの輸送個数はほぼ50個(石炭1スタック分)で安定している
前者に関しては「道路の幅が狭くてドローンが移動できるスペースが29台分しかない」という可能性も考えて、道路幅を広くしてみたが変わらなかった。

道路の幅を広げて再検証

その結果をもとに考察すると「ドローンの速度未研究状態では、毎秒1スタックの速度で輸送する」という仮説が立つ。
そこでドローン速度の研究を5まで進めて再検証する。
研究1につき10%ずつ速度が上がると仮定すると1秒あたりの輸送個数は1.5倍になる。

ドローン速度の研究を5にして再検証

しかし結果は変わらず、毎秒1スタックのままだった。ただ、未研究では最大でドローンが29台稼働していたのが、研究後は最大で15台となった。
以上の検証をもとに以下の仕様だということが立証された。

  • ドローンの搬送速度は、最高で1スタック/秒である

  • リクエストデポに入れるドローンの数を増やしても最高速度は変わらない

  • 速度の研究を進めると最高速度に達するためのドローン数を節約できるが、最高速度は変わらない

ちなみにドローンのスタック容量研究により、ドローンが1回に輸送できる量は上がっていく。

  • 未研究: 1スタック

  • 研究1:  2スタック

  • 研究2:  3スタック

  • 研究3:  4スタック

  • 研究4:  5スタック

  • 研究5:  6スタック

ドローンの仕様調査の結果

ドローンの速度研究により上がるのは搬送速度ではなくドローンの効率である。搬送速度の上限値は常にドローンのスタックサイズ/秒で一定である。
搬送速度を上げるにはスタック容量アップの研究が効果的である

ベルトとの比較

石炭での検証結果をベルトと比較してみる。
ドローンのスタックサイズ未研究の時点では50/sの搬送ができる。これは青ベルト1本の搬送速度(45/s)を上回ることがわかる。
しかし、ベルトの搬送はアイテムの個数がベースになるが、ドローンの搬送はスタック単位になる。スタックサイズ10のロケット燃料は10/sしか搬送できないので黄色ベルトの15/sを下回る。
逆にスタックサイズ200の基盤は200/sの搬送が可能であり、青ベルト4.44本分の搬送能力となる。
ロケット燃料のようなスタックサイズの小さいアイテムを輸送する場合、青デポに入れるドローンを増やしても最高速度は上がらないので、搬送能力を上げるためには複数の青デポを用意するか、もしくはスタックサイズの研究を進める必要がある。
以下にスタックサイズ別のドローン搬送能力を、赤ベルトと青ベルトの本数に換算したものを掲載する。

  • 主なアイテムのスタックサイズ(MODの導入状況や設定により変わる)

    • 鉱石: 50

    • 鉄板など: 100

    • 電子基板など: 200

流体の輸送量

Space Explorationでは貨客ロケットを打ち上げるために「液体ロケット燃料」が必要となる。Transport Dronesは流体も運ぶことができるが、その搬送能力についても調べてみた。

流体の検証

アイテムを原油にして試してみたところ、1回の輸送で原油500を運んでいる。速度は毎秒500でほぼ安定している。
流体はドラム缶に入れて運ぶこともできるが、ドラム缶は流体50の容量がある。ドラム缶のスタックサイズは10なので、10×50=500となる。
つまりTransport Dronesでは、以下の搬送速度は同じとなる

  • 流体を運ぶ

  • 流体をドラム缶に詰めて運ぶ

そうであれば、ドラム缶による輸送は変換の手間があるので流体のまま運ぶのがベストとなる。

流体の搬送能力

ちなみに列車の場合、タンク貨車1両で流体25000運べるのに対して貨物車両はドラム缶400(流体にして20000)までしか積めないので、タンク貨車で流体のまま運ぶほうが輸送効率は良い。

まとめ

Transport Dronesは搬送速度の上限が決まっており、ドローンの数やスピードの研究をしても上限を超えることはない。しかしスタックサイズの研究を進めると搬送速度が飛躍的に上がり、スループットはベルトに換算しても十分な数値になる。

本記事の内容が皆様の工場運営に役立つことを心から期待して、締めとさせていただきます。最後までお付き合いありがとうございました。

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