不法行為法

不法行為法でおすすめなのは、円谷峻先生『不法行為法 事務管理・不当利得』成文堂 がまず一つあります。

おすすめポイントは、判例を基本としているところです。仕事で法律のことを使う場合はどうしても、学説より判例となるからです。

不法行為法で問題となる「相当因果関係」の論点も判例説です。最高裁判例も多く引用されています。

一番よかったのは、「長崎本舗不当提訴事件判決」(昭和48年6月7日)の解説の欄外に、大隅健一郎裁判官の反対意見の要約が載っていて、それが相当因果関係説の理解を助けるものとなっていることです。416条を不法行為による損害賠償の場合に類推適用するときの問題点を端的に書かれていて非常に参考になりました。類書にはあまり書かれていないと思います。

また、「モスクワ帰国事件判決」(最判昭和49年4月25日)に関する大隅健一郎裁判官の反対意見も載っています。そこには相当因果関係説が「いささかこじつけの感を免れない」と書いてあり、それにより却って判例説の理解をできるようになったと思います。

円谷先生の『不法行為法』は、おすすめです。



https://amzn.to/3e3S4Yu


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?