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ナナマルサンバツのSQUARE準決勝のステップ2の難しさを考える

ナナマルサンバツは、高校生の競技クイズを題材に描かれたマンガで、杉基イクラ先生作でヤングエースにて2010-20年まで、全20巻にわたって連載していました。
(※杉基先生のことは「サマーウォーズ」とか「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」のコミカライズで知りました)


今回記事の表題にしている「SQUARE」は作中で描かれている、協議クイズの全国大会で、今回はその準決勝戦の一部について考察したいと思います。

注意)以降ネタバレ含みます。

SQUARE準決勝について

 主人公チームである「文蔵」含めた7チームが勝ち残っていて、決勝進出3チームの座を争って戦います。
 準決勝はSTEP1〜3からなる3つのSTEPから構成されていて、チームメンバー4人がそれぞれ別のSTEPに参加します(STEP1=1人、STEP2=2人、STEP3=3人)。全STEP通じて、「国盗り」というシステムで47都道府県を「国」として獲得することが目的となり、その獲得数がチームのポイントになり、最終的なポイントに応じて決勝進出3チームが決まります。
 STEP1、3は、チーム1人での参加ということもあり、各チームとも主力級の選手を投入してくる一方で、STEP2は2人で参加できる一方、終了時に最下位チームは「足切り失格」となるルールになっており、いわゆるサブキャラにスポットがあたる良い展開だと感じました。
 そんなチームワークが試されるSTEP2ですが、初見でさらっと読んだだけでは気づかないほど、ルールも細かく設定されていたり、結果的に相手ポイントの「削り」がメインのSTEPとなっており、誰の活躍度合いが高いのかわかりにくい部分もあると思ったので、少しまとめてみました。

STEP1の結果概要

STEP2の考察の前に、STEP1の結果概要です。
STEP1は全部で5問。お題に即した回答を順番にボード回答していく多答クイズで、自分の番にスルーや誤答すると失格。最後まで勝ち残った順に多く国盗りができます。STEP毎の特有ルールもありますが、今回は割愛して結果だけ示します。
主人公チームである文蔵が、作中最強各の笹島を選出して、トップの12県を獲得。以下、笹島のライバルである深見(兄)を擁する開城が2位と続きます。この獲得した国配置を引き継いで、STEP2へ向かうことになります。

図1.STEP1終了後の国盗り結果
国盗り

STEP2のルール

・各チームとも2名を選出してのペア戦
・事前に床に表示された回答候補を見て、60秒後に出題されるお題に即した回答の床を最初に踏めればポイント獲得となる

問題例

・各問題に参加できるチームは4チームで、くじ引きによりどの問題に参加するかは事前に決定(7問中のどの4問に参加するかを決定)
・国盗りは各問題の終了後にその都度実施
・7問×2セットを実施(1セット終了後に再度、参加問題の抽選実施)してSTEP2終了になり、このとき国盗り県数が最下位のチームが足切り敗退になる。

参加問題の決定
足切りルール

国盗りに関して
・1ポイントでのアクションは【更地を自陣にする】もしくは【敵陣を更地にする】の2種類
・隣接県を全て自陣になった箇所は、自陣に塗り替わる(オセロルール)

(以降はSTEP2のみのルール)
・選択できる県は【自陣と隣接している県】もしくは【自陣と連絡路でつながっている県】のみ
 #連絡路:①北海道↔青森、②兵庫↔徳島、③岡山↔香川、④広島↔愛媛、⑤山口↔福岡、⑥鹿児島↔沖縄
・自陣を増やせるのは、【自陣と隣接している県】が全て更地のときのみ
 #【自陣と連絡路でつながっている県】は更地でなくてもよい

国盗りルール

セリフでも言われているとおり、隣接県を撤去しないと自陣を増やせないので、敵陣の「削り」がメインのSTEPとなっています。

STEP2 1セット目の結果

表1.1セット目の回答状況
表2.1セット目のポイント推移
図2.1セット目終了時の国配置

表1の通り、正解数の首位は宮浦・ルイージの6問、最下位は文蔵の2問。批評2の通り、STEP2開始時点で首位だった文蔵は、他チームからの削りのターゲットになったこと、正解数が最下位でその削りを妨害できなかったことで、9県減少で一気に最下位へ。終盤のQ5~7に参加できなかったことも影響していそう。
図2の国配置を見ると、各チームの「削り」で15県が更地になっており、2セット目では、更地を獲得しつつ、足切り対象の最下位にならないように「削り」をすることが必要になる。

STEP2 2セット目の結果

表3.2セット目の回答状況
表4.2セット目のポイント推移
図3.2セット目終了時の国配置

結果としては、楠女、帝山・河が3県で同点最下位となり足切りに。表3から、2セット目での正解数が最下位の2チームが足切りとなったことがわかる。

考察

また1・2セット通じての各チームの回答状況を表5にまとめた。
問題毎に正解数の上限も異なっているので、その比較も合わせて実施した。

足切りとなった楠女は回答数・回答率ともに最下位。しかし、正解できる回答上限数も35で最も少なく、最終問題にも参加できない配置(表3)であることも多少影響したかもしれない。

一方で、STEP1時点で下位だった、帝山・森(4県)、ルイージ(3県)の2チームは見事足切り回避。特に、帝山・森は、STEP2での回答数・回答率ともにトップだった。他のチームがSTEP2の前後で県数を減らす中、帝山・森は4県のままキープしており、他のチームの「削り」も積極的に実施した結果と言える。
 #どのチームが、最も『うまく』削りをしていたのかも、後々余裕があれば考察してみたいと思う

表5.各チームの回答状況まとめ


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