溶ける
24歳まではどこかで自分のことを特別だと思っていた
自分は少し地面から浮いているのではないか
本当は人間じゃないのではないか
今、社会で生きていくことが苦しくても
自分は特別だから、いつか救いの手があって
才能が開花するか、大金持ちと結婚して
特別に幸せになれると思ってた
24歳になってから好きな人と同棲を始めた
日常に何気ない小さな幸せがあって
ありがたく思っている
でもそれと同時に
何者でもない誰かになっていく感覚がある
蟻の大群の一部にいるような
それは穏やかだけれど
群れを外れた人の幸せがほしくなる
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