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我が身こそが

暁に、ひとつ残る月影が
不思議と雲間に白く浮き
雪の中に彫り込まれた彫刻のよう

ただそこにある真新しさは、
懐かしく、まだ名付けたことのない友なのだ

定めることで永遠を量り、
細切れを繋ぐことで、見えないものへの畏れを忘れようとした

時を借り、時に刈り取られることを選んだけれど、
時こそ我が身そのものだろう

ならば当たり前のように生きること
振り子が振れれば星は動く

ゆっくりと円を描くその摩擦の中で、
見上げた点こそ天の臍ではないか

いま、ここに姿を明かすのは
なんの物差しも忘れなければならないと
その新しき形を見せるのだ

憶えているか、
我が身こそが、時そのものであることを


by 文雀  2020.02.22 sat


かねてより絵本を出版することが夢でした。サポートして頂いた際には、出版するための費用とさせていただきます。そしていつか必ず絵本としてお返しさせていただきたく、よろしくお願いします。ひとりでも多くのこどもたちの夢見る力を応援したい。それがストーリーテラーとしての役目です。