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がらん胴

簡単に言えば、そこは空虚
望むと望まないと、やがて訪れる
むかし、返した言葉が
いま帰ってきた

胴を叩けば、
収まらない響が出口を探す
がらんに響く、通しておやり
声を持たない胴なのだから

珠は降っても摺り透る
通しておやりよ、がらん胴
いま、失った言葉が
明日は戻る

虚ろに伝わり、跳ねて震え
捉えて放す
内から及んで 周囲をはしる

その伽藍にひびく、波から波へ
渡しておやりよ、そこは虚空
戻れば昨日は、
忘れてしまう

いづれは訪れる、がらんの堂へ

文雀


かねてより絵本を出版することが夢でした。サポートして頂いた際には、出版するための費用とさせていただきます。そしていつか必ず絵本としてお返しさせていただきたく、よろしくお願いします。ひとりでも多くのこどもたちの夢見る力を応援したい。それがストーリーテラーとしての役目です。