大怪獣イゲラ
女①床で眠っている。起きる。
女① あれ?ここは…
女④ ようやく目覚めたようね。
女④と覆面たちが現れる。
女① だれ!?
女④ もう名乗らせてもらったはずだけど?
女① あなたたちね。誰かわかんないけど、こんなことしてただで済むと思ってんの!
女④ おだまりなさい!だいたい、あなたたちが悪いのよ。
女① え?
女④ たかが岐阜放送ごときが私達を出し抜いて怪獣のスクープを手に入れるだなんて。
女① スクープ…。あなた達まさか!
女④ そう!我々はこの東海エリアの大御所。天下のCVCテレビよ!
女① CVC…。なぜこんなことを。
女④ 困るのよね~。東海エリアで起きたこんな大事件を岐阜放送ごときのローカルテレビに奪われちゃ。
女① だからってここまでやる?
女④ 安心なさい。これは取引よ。
女① 人の事さらっておいて、取引とかおかしいでしょ!
女④ あなた、うちに来ない?
女① え?
女④ だってこのスクープ、岐阜放送の手がらというよりはあなたの手がらじゃない。あなたさえうちに来てくれれば。このスクープはCVCのもの。そして、あなたをメインにした大怪獣突撃レポートを敢行するの!
女① ………。
女④ あなたにとっても悪い話じゃないでしょ。岐阜放送でマイナーなローカル番組やってるより、うちで仕事した方が魅力的だと思わない?
女① …私、ずっと思っていました。自分はこのままたいしたチャンスにも恵まれず、普通の人生を歩んでいくんだろうなって。でも、ついにやってきたんです。大怪獣。あいつこそが私の人生の最大のチャンスなんです。
女④ ええ。
女①手を差し出す。
女① よろしくお願いします。今日から私は身も心もCVCです。
女④ よくぞ決断されました。では、早速…
女① というとでも思いました?
女④ え?
女①、女④を殴る。他の覆面も全員倒す。
女④ えええーー!
女① 私こう見えても通信空手やってたんです。
女④ そんな!あなたせっかくのチャンスを棒に振るつもり?
女① 私、鯛の尻尾より、イワシの頭。トップを狙う方が好きなんです。どうせCVCに入ったって雑用ばっかり。ていうか最悪、突撃リポートが終わった瞬間ポイ捨てって可能性もありますもんね。
女④ ギク!ま、まっさかー。
女① 大怪獣は私のチャンス。誰にも渡さない。このチャンスをものにできれば皆が私を認める。…ねえ。ところで大怪獣突撃リポート。
女④ はあ。
女① 詳しい内容。聞かせてくれない?
場転。
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これを書いた作家さんは秘密です!
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