無職のおっさん、8日間で300万稼がなければ魂を失うPART1

9月22日。朝、目覚まし時計がやけに大きく鳴り響いた。

私、無職の自称フリーライター、全ては今日から始まるのだ。

目標はひとつ——9月30日までに300万円を稼ぐ。

それもライティングで。人生の壮大な悪ふざけのようだ。

さて、何から始めるべきか。

300万円といえば、庶民にとってはちょっとした高級車、いや、東京のど真

ん中でワンルームの家賃を一年間払える額だ。

8日間でそれを稼ぐとなると、単純計算でも1日37万5千円。

しかも、文章でだ。正気の沙汰じゃない。

「とりあえずカフェに行こう」

そんなことを考えながら、ベッドから抜け出して、今の状況を一旦無視す

る。

まずはカフェ。

家にいたら絶対に手が進まない、これは確実だ。

ラテを一杯頼み、パソコンを開いて思案する。

フリーライターって何だろう？

一度でもフリーで成功した経験があったなら、こんな緊急事態にはならなか

ったかもしれない。