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超納得内定な大企業を新卒3ヶ月で退職した話②


先輩とのキャリア面談


大学の就活時代からお世話になってる先輩が会社にいた。
いつも通り仕事中にトイレで号泣していた私は
「助けてください」と先輩にLINEしたら、状況を打破できる方法を一緒に考えようと言ってくれた。
早速次の日曜、4時間話した結果、「期間というゴールを決めて、何も考えずにその期間までがむしゃらに言われただけの最低限の仕事をしよう。その期間が来たら転職しちゃおう」
というものだった。
その先輩も、入社前は夢いっぱいにワクワクしながらしていたが、キャリアオーナーシップなんて実現できないと分かった。仕事は割り切って8時間耐えるものだと認識していると話してくれた。

世間体や自分の納得感の理由から、
新卒で入った会社に最低1年はいたかった私には、とても納得いくソリューションだった。
期限は2025年3月31日。この日で絶対退職する。
そこからは楽だった。1日1日、適当に仕事をこなし定時で走って帰る。
カウントダウンアプリを入れて退職まで指を折って待っていた。

「みんな仕事はこうやって割り切ってしているんだ、私も割り切って時間を売ろう。生きるためにお金は必要なんだから、生活費だけ稼げたらいいんだから。やりがいも同期との繋がりも成長もくそくらえだ」

走って家に帰って、頭痛のままご飯も食べないお風呂も入らずにベッドで寝て起きて会社に行く。

この考えで一週間は乗り切れた。


しかし、幸か不幸か、1日だけ定時で帰れた日、考えてしまった。
…あれ、これでいいんだっけ?
いいんだよね?いい?いいの?
よくない、嫌だよね…?
何をしとるんや私は。

気がついた時涙が止まらなくて、母に電話をした。

「お腹いっぱいご飯食べさしたるから、明日実家に帰ってきなさいな」

それが母の回答だった。
帰省させて、リモートで働かしてくださいと言う提案を上司は快く受け入れてくれ、次の日実家に帰った。

実家帰省


実家最高すぎ。
毎日3食食べて、大好きなフルーツも食べて、7時間寝て、湯船に入って、
自室でリモートワークをして終わったら、リビングに居続ける。仕事のことは一才考えない。

これだけで無気力はだいぶ回復した。
そしたら考える時間ができた。
「私ってなんでこの仕事してるんだっけ?」
「なんでこんなに仕事に不満があるんだっけ?」
「私の強みを活かせる仕事って他にないんだっけ?」

会社にいる人に嫌いな人が誰もいない。すごく恵まれてる環境だと思う。
同期も教育係の人も、部長も、課長も、全員尊敬しているしいい人だなと思う。(東京の人おもんないけど)
大手だし、安定もしてる(給料は低いけど)
有給とかも取りやすい、残業規制もある(福利厚生ゴミだけど)

世間ではブラック企業や、過労死やで苦しんでる人が多いのに。
私はこんな恵まれた環境でも頑張れないんだ。ダメな人間だなあ。
今仮に辞めたとて、新卒3ヶ月で辞めた人、取ってくれる会社ないよな。
親にも友達にも呆れられるだろうな。

てかもう働きたくないな。石油王とかに嫁入りしようかな。婚活するかな。パパ活とか。
でも私そんな美貌ないしなあ。そもそもおじさん嫌いだしな。こんな不景気な中、専業主婦ってやっぱ難しいよな。

あー。私って、本当ダメだなあ。


セルフモラハラ


私は自分で自分にモラハラをする癖がある。
高校の時、摂食障害だった。拒食から過食に移行した時、自分はダメな人間だと2ヶ月近く毎日自分に言い聞かせていた。その結果鬱になった。そりゃそだ。

今回も同じことをしてしまった。結果は同じだった。鬱だ。そりゃそだ。

鬱と診断名が付いたらこっちのもんだ。
超簡単に休職できた。いい時代だ。
もう限界だった私に休職の選択は助け舟でありながら、セルフモラハラが加速する状態だった。


休職ライフ


休職して10日はずっと寝たし、食べた。どれだけ寝ても眠いし、お腹が空く。

そりゃそだ。ここ2ヶ月
2時間に一回目覚める睡眠と、ご飯はまともに食べてなかったから。
体重は大学生時代から5.5キロなくなってた。ダイエットとかじゃなく、胸だけなくなってお腹が出てる、醜い体だった。
生理は予定日から二週間すぎても来ないし、頭はずっと痛いし、親には申し訳ないし。

一定の睡眠欲、食欲が満たされた後は不安感に押しつぶされた。
みんなが働いてる中寝てるなんて!
同期においてかれる、会社の人は私を弱いと思ってんだろうな。恥ずかしいな会社にもう戻れない戻りたくない。
てか、社会というものに戻りたくない。
ウダウダ…
 
この辺の心境は無駄に大量に他のnoteに書いてるから省略します。


上司とのキャリア面談

上司と会った。
休職の事務的な手続きのためだ。
眠かったし、会社の人には会いたくなかったし、スキンケアヘアケア体型管理ができていない汚い姿で外出したくなかった。
何より、この上司は正論をぶつけてくれる人だ。仕事中にこの人の意見や言葉は本当にありがたかったし、尊敬していた。
が、休職中のメンタルの私に正論は全く入ってこない。疲れるだけだと思った。

死んだ目をしながななんとか会社に足を運んだ。

「立場上、上司として言わなきゃいけないから言うね」と、私のメンタルの弱さや考え方の甘さをすごくオブラートに包み優しく正してくれた。復職をしてほしいと言われた。
何度も何度も言葉を選ぶため間を置いて、丁寧に話してくれた。
この正論はすごく正論で、その通りだと心底思っていた。

が、
「ここから個人として、プライベートの意見だと思って聞き流してね」と、話してくれた。
それは、
この仕事は私の強みを活かしきれていないと第三者的に見ても思うこと
この会社は私が思ってるよりいい会社ではないこと
20代の貴重な時間は、限られていること
キャリアオーナーシップを持ちたいという考えは間違っていないこと
転職も一つの選択肢だと言うこと

ここで、ずっと自己否定していたことが馬鹿だと気がついた。

健康を害したり、自己否定をしてまでしなきゃいけない仕事なんてねえよな。

私は上司との面談を終わらせた足でカフェで転職活動用の職務経歴書と履歴書の作成を始めた。



⚠︎この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません







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